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共喰い

2013年作品、青山真治監督、菅田将暉主演。

昭和63年夏。 高校2年生の遠馬(菅田将暉)は父親とその愛人・琴子(篠原ゆき子)とともに山口県下関市に暮らしていた。 母親の仁子(田中裕子)は川を挟んだ向こう側で魚屋を営んでおり、遠馬は時々仁子に魚をさばいてもらいに行っていた。
仁子は左手の手首から先が無かった。 戦争中空襲で焼けた崩れた家の下敷きとなり消失してしまったのだった。 両親も空襲で失くし、彼女は魚屋に住み込んで働いていた。
そんな彼女はある夏祭りの時、10歳年下の篠垣円(光石研)と知り合い結婚する。 手の無い女を嫁にする女にあったことが珍しいといった思いだったが、円はSEXの時に殴る性癖を持っていた。 
妊娠中だけは収まっていたが、生んでしまうとまた始まる。 結局、仁子は離れて暮らすことになった。
日ごろから父親と琴子の情事を目にしている遠馬は、性交の際に父親が女に暴力をふるうことを忌み嫌っていた。 幼なじみの千種(木下美咲)と、誕生日の記念でSEXをしていると、なんとなく物足りなく感じてしまう。
円は、アパートの女(宍倉暁子)のとこにも通っている。 いろんな男が出入りしているのだが、退廃的な女だった。
今の愛人の琴子は飲み屋で働いていて35歳、1年前に知り合って、事実上の夫婦関係で、遼馬ともうまくできる女性だったが、絶えず目に殴られた跡があった。 それを見ると琴子は少し足りないのか? と思ってしまうのだった。
円の仕事はいまだにわからない。 危ない商売をしているらしいことはなんとなくわかったが、今はあまり働いていないようだった。
母の仁子のところに寄った時、珍しくウナギが釣れた。 仁子に捌いてもらったが、この魚屋を今後どうするか迷っているという話を聞かされた。
ある日、遼馬は千草と暴力的なセックスをしてしまい、自分にも父親の血が流れていることに愕然とする。 そしてそこから遠馬の周りが動き始めるのだった・・・

劇場の時に時間が会わずスルーした作品、菅田将暉が主演した問題作です。
父の血が流れていることを今まで漠然と嫌っていた遠馬ですが、愛人が妊娠したことを聞かされた時にある感情が爆発し、それが今まで自分に眠っていた本性かと焦りはじめるんですね。
実母の田中裕子の存在が、秀逸ですね。 本当は左手を失くして人生が無くなったのを、息子を授かった幸せ、そして命かけて息子を守るために事を起こすところが熱演でした。 まただらしないとんでもない父親役は、光石研は「ヒミズ」http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/7400684.html でも演じていました。 同じような結末でしたね。
昭和の終りに、最後期待する仁子と遼馬、今までの人生をリセットしたくなる時代の節目、千種との生活が始まるのか、それとも琴子となのか、どっちを選んでも遼馬には平成の世が始まると言う終り方でしたね。

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遠馬と円

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母の仁子と

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父の愛人の琴子と

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幼なじみの千草と

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昭和の終りに

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