anttiorbの映画、映像の世界

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リトル・フォレスト 冬・春

2015年作品、森淳一監督、橋本愛主演。

母からの手紙が来た。 光熱費の請求書だけの中に一通の手紙だった。
冬はここ小森は、雪深くなる。 そして今までの蓄えがここで効いてくるのである。 また冬は次の冬の準備をし始める時でもある。
5年前の雪の日に突然失踪した母・福子(桐島かれん)は子供のころクリスマスになっても何もしてくれなかった。「うちはキリスト教じゃないよ」子供心にケチだと思った。
しかしお客があるとケーキをつくてくれた。 覚えているだけで、3回来た友達は外人さんで、もしかしたら母の昔の恋人だったのではないかといち子(橋本愛)は思っている。
その時のケーキは、生クリームでデコレーションしてあり、中は2色になっている。母は作り方は教えてくれなかった。
母がいなくなった日は、母にばっけ味噌用のふきのとうを取っといてと頼んだ日だった。 帰って来るとははいなかった。
その日から彼女はあいた時間で働きに出て、そして畑仕事もしなければならくなってしまった。 そして一度村を離れたが、町の生活に失敗し帰ってきたのだった。
親友キッコ(松岡茉優)も小森のこれからを真剣に考えるユウ太(三浦貴大)もいち子は何かから逃げてここにいると思っていた。
そしていち子もそれは自覚していた。
季節は冬から春になっていくのだった…

この作品は何か惹かれますね。 今回は劇場に見に行きましたが、初日とあってそこそこの入りでした。
寒い東北地方の集落、やはり一番大変なのは冬ですね。 雪かきはもう日課になってしまうんですね。
夏から始まって今回の春編で最後となりますが、どういうラストになるかが大変興味がありました。
本来いち子がここで一人で生きているのは、実家がここでここで生まれ育ったから、というのは表向きで、都会に居れなくなったのが正解なんですね。しかしここに来て、みんなここで必死に、そして楽しく、厳しく生きていることを感じます。 特に2歳下のユウ太が小森で将来を考えながら生きていくことに対して腹を決めている姿に、彼女はだんだん自分を見つめ直していくんですね。
という物語が底辺に流れているんですが、そこまで真剣さを出しているのではなく、なんといっても自然の植物、野菜、収穫したもの、保存した物を、いろいろ知恵を絞って料理していくのが心地いいですね。
前作でも感じましたが、生きていくために食べる。 食こそが一番の楽しさ、そう感じれる生活で、この作品には、テレビを見るシーン、携帯をいじっているシーン、電話さえも普通の電話ですし、そういうシーンは一度だけでした。
やっぱり私にはできませんが、日本人の根底の強さ、知恵を見れた作品でした。
橋本愛、好演でしたね。

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冬がやって来た

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ユウ太、彼はここで生きていくと決めている

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親友のキッコ、彼女もまたここで生きている

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母が教えてくれなかった“パン”の作り方

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春が来て、彼女はあることを決める

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