anttiorbの映画、映像の世界

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この国の空

2015年作品、荒木晴彦監督、長谷川博己二階堂ふみ主演。

1945年、終戦間近の東京。 19歳の里子(二階堂ふみ)は母親(工藤夕貴)と杉並区の住宅地に暮らしている。
度重なる空襲に怯え、雨が降ると雨水が流れ込んでくる防空壕、日に日に物価は高くなり、まともな食べ物も口には出来ないが、それでも二人は比較的うまく、健気に生活している。
里子は役所に勤めている関係もあり、こんな戦時下でも融通を効かされる生活をする中、ある日帰って来ると、一人の女性が家の前に座っていた。 横浜に住んでいる母の姉(富田靖子)だった。 夫と子供が空襲でやられ一人でここまで来たという叔母だが、とりあえずその日は叔母のために多めの米を炊き食事を取らせるが、母が風呂は今まで通り週に1回と厳しめに言う。 せめてお湯を沸かし体を拭けばいいと里子は言うのだった。
妻子を疎開させた銀行支店長の市毛(長谷川博己)が隣に住んでいる。 里子は男の一人暮らしの市毛の身の回りの世話もするようになっていく。 
町内会長(石橋蓮司)は疎開できるかもしれないと里子に話すが、その話は結局ダメになってしまう。
叔母と母はどんどん折り合いが悪くなっていく。 配給制になり、さらにほかの地区から東京に転入することはできない中、2人分しか配給はもらえない。 母は自分の姉に出て行ってほしいと言うが、お金を払うからその分買い出しをしてあまり負担はかけないという事で3人で暮らすことになるが、母は食事も別々にすると言い出す。
里子の周りでは日に日に戦況が悪化していく。 田舎へ疎開していく者、東京に残ろうとする者。 戦争が終わると囁かれはするものの、すでに婚期を迎えた里子には、この状況下では結婚などは望めそうもない。 自分は男性と結ばれることなく、死んでいくのだろうか?
その不安を抱えながら、市毛の身の回りの世話をすることがだんだんと喜びとなり、そしていつしか里子の中の 「女」 
が目覚めていくのだが・・・

原作は谷崎潤一郎賞を取った高井有一の小説、第2次大戦の終戦前夜の話ですね。
監督は荒井晴彦、脚本家の彼が15年ぶりに監督をした作品という事ですね。 主演は二階堂ふみ、近作は 「何者」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14504070.html 「SCOOP!」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14467744.html ですが、今作は彼女が真ん中の作品ですね。
共演は母親役が工藤夕貴、ちょっと見彼女とわからないほどでしたが、良い演技でしたね。 しっかりした女優さんになっていました。 そして叔母役で富田靖子、こういう役は彼女に良く似合いますね(^^)
そして隣に住む戦時中のやもめ暮らしの市毛に長谷川博己、近作は 「シン・ゴジラ」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14324762.html ですね。
物語はいろんな面で人間として、女性として生きることを制限された時代に生きた19歳の女性を描いた物語。 20歳前の女性が一番輝くときに、一番綺麗なときに、女性としてどう生きて行かねばならないのか? 自問自答しながら、それでも時局には逆らえない葛藤を描いていましたね。
しかし面白いのは、隣の市毛とどんどん近づいて行く娘を、こんな時だからこそあえて止めない母の姿が印象強いですね。 いつ死ぬかわからない敗戦直前の日本、ならばたとえ不倫でも娘の女を咲かせてあげたい、そんな母の女としての思いやりが川でのシーンが印象的でした。
そして強烈な最後のセリフ、彼女の闘 いがこれから始まるというのが何か凄かったですね。
二階堂ふみの演技にちょっと疑問の残る作品ですが、あえてそういう演出なんでしょうか? 何かロボットのような無機質な感じの演技のふみちゃん、わざとそういう感じで演じさせているんでしょうかね?

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戦局は悪化し、疎開する者も多く出てくる

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19歳の里子、空襲がある中、彼女の家は保たれている

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そして叔母が逃げ込んでくる

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そして市毛の世話をし始める里子

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そんな里子の行動を止めない母

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