坂築静人(高良健吾)は不慮の死を遂げた人たちの、その現場に行き、個人を悼むことを続けている。 「亡くなった方を愛していた方はいますか?誰かを愛していましたか?その方に感謝されている人はいますか?」 亡くなった方を知っている方に話を聞きながら、彼はひたすら悼むのである。
週刊誌記者・蒔野抗太郎(椎名桔平)は残忍な殺人や男女の愛憎がらみの事件の記事を得意としていることから、エログロの蒔野、“エグノ”と陰で呼ばれていた。
ある事件の現場に行き、カメラマンの女性(大後寿々花)にやらせっぽい写真を撮らせようとするが、うまくいかない。 そんな時、静人が通りかかり現場で悼んでいた。 不思議な光景にちょっと興味がわいた蒔野だが、その時はそれっきりだった。
しかし別の場所で、男性二人と女性一人という中、男が拳銃で撃たれ死亡した事件が起こった。 現場にはまだその当事者の女性がいた。 男二人が喧嘩をして、一人が発泡した事件ということだったが、そこに静人が出くわし、蒔野も現場にいた。
いきなり悼み始めた静人だが、こんなどうしようもない事件で悼む必要はないのではと蒔野が言うと、静人はそれでも女性は愛されていたし、もしかしたら3人は知り合いで幼馴染だったかもしれないと言う。
蒔野はその事件を勝手にエグい事件として記事を書き雑誌に持ち込んだが、真相はなんと静人の言ったことの通りで、不慮の事故だったのだ。
そこから蒔野は坂築家を 突き止めるのだった。
だが恋人の子供を身籠もっていることが判明する。 その恋人とは既に別れたという美汐だったが、そこには静人の存在が影を落としていた。
そして静人はある殺人事件現場で、一人の女性奈義倖世(石田ゆり子)と出会うのであった・・・
不慮の事故、殺人、そんな痛ましい状況で亡くなった人を、ひたすら悼み続ける男・坂築静人、そしてそれを取り巻く家族、そして遺族、殺してしまった者、様々な人と接しながら、彼は旅をしていきます。
どうして彼はそんな生活を送るようになったのか? 一つの原因は、幼い頃に亡くなった祖父に対する気持ちからかもしれません。 優しい幼い頃の静人は、事故か自殺かどっちとも取れる亡くなり方をした祖父を、優しく悼むのです。
そして就職をして彼は大きな問題にぶつかり、人生を放棄しようとするほどでした。
事件現場にいくと、場合によっては警察から質問を受け、確保されることもあります。 家族はその都度知らせを受け、他人からは誤解をされます。
でも彼はそれを止められないんですよね。今やめてしまうと彼は糸が切れてしまうんでしょう。
そして一途な彼の姿は、だんだん人の心に染み入っていきます。 不思議な作品ですが、ちょっと心に引っかかる作品でした。
静人はあるきっかけで悼む人となった
そして旅を続ける
夫を殺してしまった倖世
二人は出会い旅をし始める
そして悼む