anttiorbの映画、映像の世界

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美しい星

2017年作品、吉田大八監督、リリー・フランキー亀梨和也橋本愛中嶋朋子出演。

当たらないテレビ気象予報士の父・重一郎(リリー・フランキー)、フリーターで自転車便のメッセンジャーをしている息子・一雄(亀梨和也)、美人すぎて周囲から浮いている女子大生の娘・暁子(橋本愛)、心の空虚を持て余す主婦の母・伊余子(中嶋朋子)の4人家族の大杉家。
久しぶりの外食なのだが、一雄だけが遅れてきて、皆が待っていた。 ちょっと高いレストランに仕事着のまま来た一雄、重一郎は不機嫌になるが、顔が知られている彼は露骨に態度には出せない。
重一郎は番組のメーンキャスター・今野彰(羽場裕一)からはいつも突っ込まれるが、煮え切らない返答をしながら天気予報をゆるくする。 そして今は異常気象、冬なのに、20度近くの気温で、温暖化ではないかと振られるが、大した答えは言わない。
アシスタント気象予報士の中井玲奈(友利恵)と不倫中の彼は、SEXをした後、車で彼女を送る途中、いきなりまばゆい光を受け気を失ってしまう。 気が付くと変な場所に車が止まっており、警官によって起こされたのだった。
番組に穴をあけてしまったが、それは中井が上手く熟し、取材で来れないことになっていた。 しかし一緒に乗っていた中井は全く記憶が無かった。 そして重一郎は火星人としての自覚がいきなり芽生えるのだった。
一方同じころ、一雄はプラネタリウムに行ったとき、いきなり水星の画像が迫って来てから、彼もまた水星人であると思いはじめる。
さらに暁子も、路上ライブをしていたストリートミュージシャンのイズミ(樋井明日香)の 「金星」 を聞いてから、妙に惹かれるようになってしまい、彼を追いかけて金沢に行ってそこでUFOを見るのだった。 彼女は金星人だと思い始める。
そして伊余子は、知り合いの女性に地下深くから汲んだとされる水に嵌ってしまい、その水を言われた通りに売り始めていく。
突然、火星人、水星人、金星人、地球人として覚醒し、“美しい星・地球” を救う使命を託されて行く家族だったが…

原作は三島由紀夫、監督の吉田大八がずっと撮りたかった作品という事で、ようやく映画化になったという事ですね。 吉田監督といえば 「桐島、部活やめるってよ」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/8130050.html が高評価を受けましたが、初長編作品以外は全部見ています。 好きなと言うか、見なければという気にさせる監督です。
主演はリリー・フランキー、もうすっかり俳優さんですね。 脇をやらせて光るんですが、今作では家族の中心で主演でした。
この後、それぞれ目覚めた各星の住人と称する家族が、それぞれの視点で行動を開始していきます。 人間の驕りからくる資源消費を止めよとテレビで訴える重一郎、政治家になぜか秘書として取り立てられる一雄、美の惑星金星に感化され美を伝え始める暁子、そして地球の深くから取れた “水” を、すべての人に進め始める伊余子、それぞれがそれぞれの考えのもと地球に取り組んでいくんですね。
これは大変面白かった。 アブダクト、マルチ商法、政治、そして詐欺師、三島由紀夫の時代とは違った設定が加えられているんで、これは原作小説ではまた違った感覚を味わえそうな作品でもあるようですね。
原題に置き換えた設定や膨らませた部分、特に伊余子は本来木製の設定だったようですが、彼女は一番普通の地球人になっていますね。
ラストもこう来るかでしたが、これはぜひ原作対比をしたい作品ですね。

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アブダクト経験から火星人の自覚の芽生えた重一郎

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一雄は水星人の

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暁子は金星人の

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伊余子は地球人

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黒木は政治家の秘書だが、いったい?

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