anttiorbの映画、映像の世界

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私が、生きる肌

 
体にぴったりとフィットしたボディ・ストッキングを着て、1人部屋にいる女性。 食事も専用の扉から支給される。 また本などもそこから差し出されるのだ。
ベラ(エレナ・アナヤ)と呼ばれる彼女は、外との話はインターフォンで行うことになっている。 そして欲しい物は基本差し入れられるが、危険なものは却下される。
画期的な人工皮膚の開発に没頭する天才形成外科医ロベル(アントニオ・バンデラス)は自らの研究結果を発表している。 事故等で失った顔の復元も可能という話をしている。 彼はその研究に没頭している。
自宅に帰ると、必ずある映像を見るそれは美しい体をした女性の映像。 それはベラだった。 彼女を軟禁しているのだ。 その日彼女は自分の体を傷つけ、ぐったりしていた。 すぐに自宅にある手術室に連れて行く治療をした。 彼女は一言「もう終わりにしたい」という。
ベラは、ロベルにより人工皮膚を付けられているのだった。 この皮膚は虫刺されに耐性があるということだった。 マラリア等の対策にもなると彼は発表する。 しかし彼の研究は人が踏み越えてはいけない部分まで来ていると言われてしまうが、逆にそれを評価し、実際に利用しようとする者も出てくるのだった。
家に帰って来て、ベラの部屋にロベルが行くとベラはあることを言い出す。 「普通に暮らせないの?」 しかしロベルは、「私たちは普通ではない」 と冷たく言い放つ。監禁ではなく対等な暮らしができないのかといいよるベラを彼は相手にしない。 初老のメイド・マリリア(マリサ・パレデス)は古くからこの家に仕えていて、ロベルを息子同然に思っているが、ベラの存在を危険と思っている。 そして早くベラを遠ざけるようロベルに進言するが、ロベルはあいまいな態度を取り続けるのだった。
ロベルはベラを愛しているのか? 何か壁を作っていながら、高圧的にもならないロベル。 実はロベルは妻を亡くしているのだった。 そしてその妻はベラそっくりだったのである。 だとしたらベラはいったい何者なのか?・・・
 
前半部は、ロベルとベラの不思議な関係に終始していますが、トラ男が現れてから物語が急速に動いて行きます。彼はマリリアの息子なんですが、粗暴で、危ないことをしていて、トラの扮装をしているのは警察に捕まらないためなんですね。
その後の回想シーンを経て物語はいよいよ真相に迫っていきますが、ここからがちょっと信じられない展開の種明かしとなっていきます。 本当にこんなことは可能なんですかね。 確かに医学の進歩により、いろんな手術は可能になりますが、ここまでコピーできるのか? 全く違う人間を作り上げることができるのか? ある種SF作品のようでした。
ベラ役のエレナ・アナヤはエキゾチックな顔のスペインの女優ですが、監督作品の「ボルベール〈帰郷〉」http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/8325484.html のベネロぺ・クルスもそうですが、スペイン人の濠の深いエキゾチックな容姿を、この作品では“彼女”が演じていました。 一種のマッドサイエンティストなんですが、背景に悲しみと復讐があり、ロベルの心情がちょっと哀れな物語でしたね。
 
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帰宅すると必ずモニタリングする
 
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そして彼女から頼みを聞く
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マリリアは彼女を危険視している
 
 
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ロベルは彼女に皮膚を装着しているのだった
 
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そこにトラ男が現れる
 
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