白い杖を鳴らして歩いてくる盲目の少女(寺島咲)、子供の投げたボールが当たった。 そのボールがある地下街におっこっていった。
そこは銀座の地下街、そこにはある名画座があった。 金髪に髪を染めたショウタ(染谷将太)がボールを掴むと、少女に 「映画が好き?」 と聞く。 少女は首を振っていってしまった。 「教養ないなあ」 彼がそう言うと、後ろから蹴っ飛ばされた。 クミコ(秋吉久美子)にだった。 ナンパ?犯罪? 「客引きは止めろ!」 そう言うクミコだった。
ショウタはこの寂れた映画館で、何でも掛ける彼女にもっと客が入る映画を掛けろと言いたいのだった。 しかしクミコは言う 「映画は何でもアリなんだよ」 ショウタは、彼女に言う 「尊敬するよ」 でも彼女は悲しげな顔をして怒るのだった。 「ここが取り潰されること解っているの?!」
ちょうど映画が終わった。 出口に行き、お客様にお礼を言うクミコ 「ありがとうございました」 ショウタは絵を描いているのだったが、スランプといい最近は描いていない。
インターミッションの間にいろんな人間模様が繰り広げられる、そんな幕間に展開する物語の開幕だった…
映画好きの夢の一つに、自分で映画館をやりたい、自分の厳選し た作品を掛けたい、もっと言えば自分専用の映画館を買いたい、そこまで考えちゃうかもしれません。
“名画座” という言葉を知らない若い人がいるとも聞いています。 映画に関心のない人ではなく、ヒット作くらいは欠かさず見る人にもいるようですね。
学生のころは、ようやく家庭用のビデオが出てきたような時代で、市販の映画ビデオソフトは1万から2万しました。 高嶺の花でしたね。 だからビデオが出たときは録画をして保存版にしましたね。
でもそれより前はどうしていたか、ロードショーも都心ならいいですが、ちょっと郊外だったりすると、そんなに見れません。
そんな街の映画館は、ロードショーが終わったシーズン遅れの作品を掛けてくれました。 “名画座” “2番館”そんな呼び方をされていましたね。
私の想い出は、東京の郊外・国分寺に住んでいましたので、国分寺国際劇場というのがありました。 普段はポルノばっかりやっているのですが、ちょっと遅れてやってくるゴジラ作品、そしてなぜか 「男はつらいよ」 だけはちゃんとロードショーでやるんですね。
そんなサイクルが不思議でした。
ちゃんと公開時に見るには、立川に行きました。 そしてその立川と、間の国立には名画座がありました。 立川セントラルと国立スカラ座でしたね。 結構2本立てで、ヒット作をかけていました。 特に国立は会員制度が確かあって、安かったです。
中野にもありましたね、武蔵野館。 そこで 「カリオストロの城」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/4244996.html を見たのは前に書きましたね。
そうい った名画座はすっかり減りましたね。 映画人口の減少と共に、姿を消した名画座。 僅かに残る名画座のそんな閉館を描いたこの作品、老朽化で仕方のないことでもありますが、なんとか存続してほしいものです。
このインターミッションに、いろんな俳優が参加しておしゃべりをするこの作品。 特に物語は無く、幻想的な作りなんですが、ノスタルジーに浸るにはいい作品です。 でもラストは・・