僕らのワンダフルデイズ - anttiorbの映画、映像の世界

2009年作品、星田良子監督、竹中直人主演。

病院の廊下を歩いているのは、食品会社に勤める53歳の藤岡徹（竹中直人）。　　彼は胆石で入院、手術は無事成功した。　しかし医師が話しているのを聞いてしまった。　　「末期の胆のうガン。もって半年」　　その日から徹は、生きる望みを失ってしまった。　　病院内を1000歩歩けと言われて歩いている途中の事だった。

妻の章子（浅田美代子）がため息をついている姿を見て、間違いないと確信した徹だった。　　数日後徹は退院した。　　主治医は　「もう何しても大丈夫」　と笑顔で言う。　長女・和歌子（貫地谷しほり）、高校生の息子・智樹も迎えに来た。　　徹は家族総出で来たのもおかしいと思った。　　きっと自分には知らせないつもりだと思ったのだった。

家に戻っても腑抜けのような徹、鬱になってしまったと心配する家族。　　徹は胆のうがんをネットで調べていた。　夜中にひとりで泣いていた。　

会社も休むと言う徹、章子は智樹の文化祭に徹を連れ出す。　そこで徹は高校生バンドの演奏を聴いた。　高校時代に親友たちと組んでいたバンド　“シーラカンズ”　の記憶が鮮やかに甦る。

帰って昔の自分たちのカセットテープを聞く徹。　泣きながら　「シーラカンズ」　と言っている徹の姿を見た章子は、徹の昔からの友人で　“シーラカンズ”　のメンバーだった酒屋の栗田薫（段田安則）を訪ねる。

彼は酒屋を営んでいるが、徹が鬱になってしまったと言い、栗田にもう一回バンドをしてくれないかなとやんわりお願いをするのだが、栗田は徹が鬱になったことを信じられない。　

不動産屋の渡辺一郎（斉藤暁）のところへ行きは、様子のおかしい徹を快気祝いと称して居酒屋に誘い出す事にした。　そして徹はそこで二人に自分のことを告白し、バンドをもう一回やろうと言うのであった…

高校時代にやっていたバンド、男の子なら誰しもやってみたいと思う活動ですね。　私もちょろっとやりましたが、長続きしませんでした。　まあ下手くそでしたし。　

でも思い出すと懐かしいですね。　この作品は、病気をきっかけにもう1回おじさんバンドをやろうとする中年のお話です。

ドラムのメンバーの一人が海外なので、代わりに入るのがなんと、稲垣潤一なんですね。　　そこだけやたらプロですね。　設定も謎の助っ人ということで、上手いし金があるし、とにかく不思議な男として出てきます。

始めからオチがわかる作品ですが、バンドであれ、コーラスであれ、音楽をやろうとする話は、結構見やすく、懐かしく、そして充実感がありますね。

各々家庭では問題を抱えている同級生も、バンドをやることで、少しでも気分が変わっていくところがなんかわかる気がしました。

ほんわかした良い作品です。