大聖堂に入る、もうここも廃墟だった。 熊が歩き回り、ライオンが屋根にいるそんな地上だった。 地下に戻ると充分に殺菌されるジェームズ。 彼は終身刑だった。 しかし科学者たちは彼にある条件を出すのだった。 大幅な減刑と引き換えに彼に過去に行ってほしいと言うのだった。
彼は子供時代に、目の前で1人の男が殺される光景を目撃し、その強烈な思い出を何度も悪夢に見ては繰り返しうなされていた。
1990年、一人の男が捕まった。 警官を5人もなぎ倒した後だったが、薬中毒とされていた。 鎮静剤を打ってもなかなか興奮状態が収まらない。 精神病医学者のキャサリン・ライリー(マデリーン・ストウ)が彼を調べることになった。
どうしてここにいるのか? しかし彼は今はいったい何年だ、としか言わない。 1990年、彼は違えた年に来てしまったのだった。
精神病院に入れられるジェームズ。 ここで調子のいい男、自分の父は神であると自称する入院患者ジェフリー・ゴインズ(ブラッド・ピット)と出会うのだった。 ここでもいろいろ取り調べが行われ、彼はこれから起こることを説明するのだが、誰一人信じようとしない、土台無理な話だった。
必死に電話を掛けさせてほしいと訴えるジェームズ。 未来に電話? 一応電話を掛けさせるが繋がったのは黒人の女の家だった。 隙を見て脱走を試みるが捕まってしまい独房に入れられるジェームズだが、隣から謎の声が聞こえてきた次の瞬間未来に戻っていた。 そして再び今度は、1996年に送られるのだが…
人類がほとんど絶滅した後の世界から、それを止めるべく送り込まれるのがジェームズに扮するウィリスという、ちょっとまともじゃない男。 一応SF設定なんですが、2035年の科学者たちがあまりにも胡散臭いので、途中彼の精神世界の存在かと疑ってしまう物語になっています。
どうして精神を病んでいる彼が、集団を率いて世界的テロを起こすのか? そしてまんまと成功してしまうのか? ジェームズの夢って実は・・ということなんですが、真面なSFとして作った方が良かったのではと思ってしまう、ここに監督のテリー・ギリアムの色が強く出ていますね。
タイムワープが、彼の頭の中の出来事みたいに見えるところがわかりづらく、そこは無くても良かったのでは? もっとすっきり作ってはと思いながら見てしまう作品ですね。
同じ空間に同一人物がいるのを良しとしない作りもありますが、ここではジェームズの最期を子供のころのジェームズが見て、それがトラウマになるところから彼の時間の旅が義務付けられた設定となっていて、ちょっと空しい彼の人生に同情してしまいます。
なかなかとっつき辛い監督の作品でした。
地上に行かされるジェームズ、そこは動物たちの王国だった
そして今度は過去に行かされるジェームズ
そして病院で知り合ったジェフリー
いったん時間を間違えて未来に帰り、再び過去へ来るジェームズ、そして彼はキャサリンに助けられる
彼は死刑囚なのだった