シャワーを浴び、歯を磨く、バスルームに自分の写真や家族の写真が貼られている。 作家を目指している女性ジャンヌ(ソフィー・マルソー)は担当者に呼ばれた。 「どうして小説に拘るのか? これでは出版できない」 小説よりも伝記や、ガイド本がいいのではと率直に言われる。
彼女は幼少期に拘ってもいた。 しかしそれは物語になっていないといわれる。 彼女は8歳より前の記憶をなくしていた。 彼女は過去を知りたいのだった。 だから小背を書くことで取り戻せるのではと思っているのだった。
帰り道めまいがした。 通りに出ると一人の少女がいた。 近くで交通事故があったようだ。 その少女が轢かれたようだ。 急に泣き崩れるジャンヌ。 でも家に帰ると彼女の今は夫・テオ(アンドレア・ディ・ステファノ)と息子、娘の4人で幸せに暮らしている。
今日は母のナディア(ブリジット・カティヨン)も来ていた。 テオは彼女の小説を評価している。 優しい夫だった。
ある日、ジャンヌは家の内装や家族の姿に違和感を覚えるようになる。 テーブルの位置が変だと言い出す。 何かめまいがする。 ホームビデオを見ていると、子供たちと夫が変な動きをしている。 しかし夫たちには見えないみたいだ。
だんだんイラついてくるジャンヌ。 怖い物でも見るように家族が黙り込んでしまった。 自分の家なのか? 何か強烈な違和感を感じ始めるジャンヌ。
現実感が喪失していく。 ビデオカメラを回すと、そこには自分ではなく別人の女が映っていた…
ソフィー・マルソーとモニカ・ベルッチのふたりの主人公? のサスペンス、不思議感覚の作品です。 途中ジャンヌの顔がだんだん変形していくところはちょっとホラーっぽいんですが、それと呼応して家族も取り替わっていくところなんかは、SFじみていますね。
おそらくきっかけは必死に過去を取り戻そうと小説を書こうとする彼女に、どこかでスイッチが入ってしまったことからなんでしょうが、現実に見える者の自信が持てなくなる不安感をソフィー・マルソーが上手く演じています。
でも美女二人ですが、半分半分の顔はちょっと不気味でしたね。 いったいどちらのジャンヌが本当の姿なのか? そのあたりも謎になっていく物語でした。
これはビデオスルーですが、確かに劇場公開には難解かもしれませんね。
愛すべき二人の子供たち
しかしビデオに映っていたのは
もう一人の自分
過去の自分がない彼女は
一体どちらが自分なのか?