anttiorbの映画、映像の世界

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僕のピアノコンチェルト

2006年作品、フレディ・ムーラー監督、テオ・ゲオルギュー主演。

祖父・(ブルーノ・ガンツ)が一生懸命作っているのはブーメラン。 ここは祖父の作業場、広い庭で飛ばしてみる。 残念ながらキッチンに飛び込んでしまった。
ヴィトス(ファブリツィオ・ボルサーニ)は天才児、初めておもちゃのピアノを買ってもらった時、初見で弾いて見せた。
父のレオ(ウルス・ユッカー)は技術者で、小さな音でも聞こえる機械を作ってヴィトスに見せていた。 ピアノを買ってほしいヴィトスだが、そんなお金はない。 
父は補聴器を作り見事就職した。 ヴィトスは幼稚園でも浮いていた。 先生は小学校に入れるべきという。 実際持て余していたのだ。
晴れてピアノを買ってもらったヴィトスは、幼稚園に行かなくてもいいと言われ、ベビーシッターと過ごすことになった。 レオの就職で多忙になったヘレンは、ベビーシッターのイザベルを雇う。 始めは馴染まない二人だったが、徐々に仲が良くなり、ちょっとした好奇心から酒を飲んでしまうのだった。
怒ったヘレンはすぐさまイザベルを解雇した。 しかしヴィトスはイザベルを結婚相手とすでに決めていた。
パーティーにヴィトスを連れて行き、両親はピアノを弾かせ、自慢をするが、ヴィトスはそこにいる人たちのささやきを、父の開発した高性能補聴器で一部始終聞いているのだった。
ヴィトスの友達は祖父だけだった。 祖父は空を飛ぶという夢を持っていた。 いつしかヴィトス(テオ・ゲオルギュー)は12歳になっていた。 ピアノの腕はどんどん上がっていたが、学校では浮いていた。 飛び級で高校に入っても先生を見下している。 学校からが大学へ行かせろと言われる。 つまり高校から追い出されたのだ。ヘレンはある有名なピアニストのところへ連れて行き、彼女にピアノを習わせようとするがヴィトスはピアノを弾こうとしない。 そしてヴィトスはある夜2階の窓から落ちてしまう。 雨の夜だった。それからヴィトスはピアノを弾けなくなり、平凡な頭脳の少年になってしまったのだ…

天才児の苦悩をえがいている作品ですね。 あまりにも頭がよく、ピアニストとしても天才的なヴィトス、しかし彼は孤独なんですね。 同じ世代の物となじむことができない、確かにそれは不可能なほどの能力ですね。
こんな子供ができた親は嬉しいだけでなく、それこそ末は博士か大臣か、ですね。 ここにヴィトスの気持ちは一切考えられなくなり、両親、主に母親のエゴだけになってしまいます。
しかしただ一人、自分の気持ちを理解してくれるのが祖父なんですね。 そしてただ一人の異性がイザベルなんです。
12歳のヴィトスが、着飾って結婚の申し込みをするシーンはちょっと可愛いんですが、セリフはちょっと憎たらしいほど大人の言い方なんです。 子供を通り越してしまった悲しさ、生きづらさをどう克服していくかがヴィトスの成長なんですね。
そして彼は祖父の死を乗り越えて成長していきます。 大空を飛んで彼がどこに行くのか? それが彼の出した結論でした。 
ヴィトス役のテオ・ゲオルギューは本当の天才ピアニストなんですね。ピアノを弾くシーンは吹き替えなしですから。 最後のシーンの彼の演奏は圧巻でした。(Ka)

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幼いヴィトスと祖父

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両親

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天才児のヴィトス、誇らしげのヘレン

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12歳になったヴィトスと祖父

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そしてピアノに向き合うヴィトス

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