anttiorbの映画、映像の世界

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さよなら、クロ

2003年作品、松岡錠司監督、妻夫木聡主演。

山深いところに一軒の家があった。 そこの女の子は、家に帰ってくると大きな楽しみがあった。 クロという子犬がいるのだった。
クロは愛情いっぱいで育った。 女の子の周りを離れなかった。 そしてだんだん大きくなった。 しかしその一家は、ある日引っ越していった。 そしてクロはたった1匹で残されてしまった。 無人の家の前で主の帰りを待つクロ・・・
60年代の松本市。 木村亮介妻夫木聡)が学校へ向かう途中、橋の下でぽつんといる黒い犬を見つけた。 ひもじそうに見えたので、彼は弁当のおにぎりを分けてあげた。 嬉しそうに食べる黒い犬、そして亮介の後をついてきて学校へ来てしまった。
学園祭の準備に忙しい高校だったが、彼等の出し物は、仮装行列。 各々の演じる役どころの準備をしているが、西郷隆盛を演じる予定なのは、斎藤守(佐藤隆太)、しかしここで問題が起こった。 犬の作り物を壊してしまったのだった。 そこにいたのは亮介についてきた黒い犬、じゃあこの犬に、一緒に出てもらうことになったが、守は大の犬嫌い、そして亮介が代わりに西郷隆盛をやることになった。
仮装行列は何とか成功した。 そして黒い犬は“クロ”と名付けられ、学校に居つくことになった。
亮介は五十嵐雪子(伊藤歩)が好きだったが、強力なライバルがいた。神戸孝二(新井浩文)といい、頭のいい親友だった。 3人の関係は、つかず離れずで均衡を保っていた。
クロのエサはどうするのか? しかしクロは用務員の大河内徳次郎(井川比佐志)のところで、エサをもらうようになっていった。 決して吠えず、ただじっと待っているクロに、大河内は根負けした感じだった。 そして深夜の見回りにクロは大河内の後についてくるのだった。
そろそろ進路を決める時期、雪子と亮介、孝二の間に、決着をつける時期が来た。 そう思っているのは東京の大学に進学を目指している孝二だった。そしてある日、何とか二人になる時間を作り彼は雪子に告白をするのだが、雪子は彼に対して困惑するのだった。
それをフラれたととった孝二は…

これは実話なんですね。 今ならおそらくどこでもこんなことは許されないでしょうね、学校で犬を飼うなんて。 でも校長もおおらかで、反対する教師を逆に納得させちゃうんですからね(^^)
クロが吠えるシーンはわずかなんですね。 その反対する教師、塩見三省扮する草間敏(数学担当・10年後は教頭)に対してと、もう1回。 そしてその時の吠え方が優しいんですよね。
これも実話なら、クロが学校にいる意味は大きかったでしょう。 そしてクロが一度行方不明になるところがあります。 それはクロが結構離れた、空き家になった昔の飼い主の家に行くんですね。 このシーンは何とも、言えなく切ないシーンでした。「いつか帰って来るのではないか?」そんなクロの儚い思いが溢れているシーンでした。
クロを探しに保険所に行くところも、結構シビアなやり取りでした。 犬が保険所に行くってことは、いずれは殺処分になるということですから。
飼い主の都合で連れてこられる犬も多い、野犬だけではない。 そんなやり取りを保健所の職員役のでんでんが言うんですね。
これは約10年間のクロとこの学校の生活が描かれていますが、ある種奇跡の物語ですね。 良い作品です。

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橋の下で黒い犬に弁当を分けて上げる亮介

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仮装行列のメンバー

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犬の模型を壊してしまい、亮介が西郷役でクロと

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何とか成功

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ある日クロはいなくなり、ここで見つけた、そこは…

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おとなしいクロ

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