anttiorbの映画、映像の世界

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飢餓海峡

1965年作品、内田吐夢監督、三國連太郎左幸子伴淳三郎高倉健出演。
 
戦後間もなく、まだ日本中が混乱しているとき、北海道に大型台風が襲った。 人々が避難するなか質屋から出てくる作業服の二人組の男。 そしてその後その質屋から火の手が上がった。
二人の男はもう一人の大柄の男と合流し、大柄の男は汽車の切符を三つ買いそして3人は函館に向かった。 事件のあったのは北海道岩内だった。
函館では青函連絡船が強風のため転覆、多くの犠牲者を出し、函館湾は大惨事の処理に追われていた。 その中に引き取り手の無い死体が2体あった。
函館警察の刑事弓坂(伴)は、この二つの死体に疑惑を感じた。 その中、岩内警察からの事件の報告でこの放火・強盗殺人事件との関連があるのではないかと、刑事の直感が働いた。
調べて行くと、事件の三日前朝日温泉に出かけた質屋の主人は、この日網走を出所した強盗犯沼田八郎(最上逸馬)と木島忠吉(安藤三男それに札幌の犬飼多吉(三國)と名のる大男と同宿していた。 そして質屋の主人が、自宅に七八万円の金を保管していたことも判明した。
人相からこの2人の遺体は沼田と木島で、金が無いことからもう一人の大男の犬飼と名乗る男が、二人を殺し金を持ち去ったと考えられた。 しかし犬飼の足取りをつかむことはできなかった。
そのころ青森県下北半島では、杉戸八重(左)は貧しい家庭を支えるために芸者になっていた。 そこへ電車の中で話した男がついてきた。 自分の後を追っかけてきたと思った八重は、男を部屋に迎え入れ一夜を共にした。
男は口数も少なく、何か思いつめているようだった。 そんな男に惹かれる八重。 男は八重に別れ際に三万四千円もの大金を手渡し去った。 八重はその恩人への感謝に、自分の切ってやった爪を肌身につけて持っていた。
弓坂刑事は函館での必死な聞き込みの結果、救助作業をすると言って船を借りていた3人組の男の情報を経て青森まで捜査にきていた。 そして八重にも大男が来なかったかと聞き込みをしていた。 しかし八重はその男・犬飼の話は一切しなかったのである。 そして彼女はもらった金で家の借金を返し、東京へ出て行くのであった・・・・
 
水上勉の有名な作品の映画化ですね。 今見ても全然違和感が無いですね。
上記した4人の重厚な演技に引き込まれる作品でした。 伴淳三郎は私が見たころはもう晩年で、どちらかというとシリアスな役ではなく、脇でとぼけたイメージでしたが、この作品では冒頭で、執念の刑事を見事に演じていました。
それと健さんの若いこと!今ではさすがに枯れた味を出していますが(80歳ですもんね)、バリバリでしたね。 なんといっても目つきがカッコイイですね。
ラストは真相がわからないままの衝撃的な衝撃的なシーンで終わりますが、この映画のリメイクはいまだにできていないですね。
ドラマ、演劇ではやっていますが、やはり3時間を超える大作は作りづらいんですかね。 でも見応えのある方がでの3時間でした。
 
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出所したばかりのふたりと、もう一人
 
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その中の一人はある女と知り合う
 
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そして二人は一夜を共にする
 
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刑事の弓坂は、放火強盗犯を追って八重にたどり着いた
 
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味村刑事と合流し、犯人を追う弓坂
 
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