anttiorbの映画、映像の世界

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点と線

1958年作品、小林恒夫監督、南廣 山形勲 高峰三枝子 加藤嘉出演。

冬の博多郊外、香椎湾の海岸の黒い岩の上に、男女の死体が並んでいた。 検証の結果、合意の上の心中死体と断言された。 男は〇〇省の課長補佐・佐山(成瀬昌彦)、女は東京赤坂の料亭小雪の女中・お時(小宮光江)と判った。 
佐山の遺留品の中に、列車食堂の受取証があった。 御一人様と書かれてある。 老練の鳥飼刑事(加藤嘉)はそれに疑問を持った。 男女は同じ汽車で来たのではないのか。 
博多の旅館を洗うと、佐山は一月十四日あさかぜ号で東京を発ち、東中洲の丹波屋に泊り、二十八日の夜、女性からの電話で宿を出て、そのまま香椎海岸へ向ったらしいのだ。 「小雪」 の女中・八重子(月丘千秋)は東京駅で出発する二人を見かけたといった。
一カ月後、警視庁捜査二課の三原刑事(南広)は福岡署へ向った。 心中が汚職事件に関係あるとにらんだのだ。 鳥飼の案内で現場を調べる。 鳥飼は一人で調べた結果を話した。 事件直前、二人を見かけたものがいる。 しかし、女の方がお時らしくなかったことなどを。 が、確証はなかった。
三原は帰京した。 東京駅で、八重子の証言を思いだした。 彼女はなぜこの頻繁な列車発着の中で、ホームをへだてた佐山・お時を見ることができたのか。 助役室で、ダイヤグラムを調べ、一日に一回、あさかぜ発車の直前に四分間だけ十三番ホームから十五番ホームを見わたせることを知った。
三原は八重子から、安田(山形勲)という男に佐山たちの姿を教えられたことを聞きだす。 安田は○○省出入りの機械商人だ。 ○○省の石田部長(三島雅夫)と親しいらしい。
彼に会うと、あの日は鎌倉で静養している妻 (高峰三枝子)に会うため東京駅へ行ったといった。 心中事件当日は、北海道に出張していたも言う。 三原は安田の妻・亮子を鎌倉に訪ねた。 一冊の汽車の時刻表が枕元にあった。 彼女の随筆に、彼女が時刻表に日ごろ親しむことが書いてあった。
安田は証言どおり、事件当日、北海道で河西(吉川英蘭)という男に会っていた。 飛行機を使ったのか。 青函連絡船の乗客名簿に、彼の自筆の署名が残っていた。しかし、ちょうど彼と同じ頃汚職の中心・石田部長が部下の佐々木(増田順司)を連れ、北海道へ出張していたことが判った。 名簿には佐々木の名がない。 三原は佐々木を問いただし、安田のアリバイを割った・・・

松本清張自ら脚本参加をしたという昔の映画化作品です。
監督は小林恒夫、「悪魔くん」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/8154286.html では4話監督を担当していました。 あとは昔の金田一シリーズも撮っているようですね。
主演は南広、私の世代では 「ウルトラセブン」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/MYBLOG/yblog.html?fid=0&m=lc&sk=0&sv=%A5%A6%A5%EB%A5%C8%A5%E9%A5%BB%A5%D6%A5%F3 のクラタ役がぴったりですね。
そして高峰三枝子、「犬神家の一族」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/15229943.html での長女役が私の世代では。

物語は博多で起こった心中事件から、端を発したトリックを暴くお話です。 香椎湾の海岸で男女の遺体が、誰もが心中だと思い、さらに目撃者もいました。 しかし警視庁の刑事・三原はある疑問を抱くんですね。 これは別の要因があるんではないかと。
しかし、にらんだ犯人らしき男にはアリバイがあるんですね。 どうやってもここに彼がいるのは不可能な時間的な壁が存在します。 そしてそれを突き崩す為に、三原は食い下がります。 そしてどうやら彼に協力者がいる事がだんだんわかってきますが。

これは昔小説も読みました。 表現などは多少古いんですが、それでもなかなか引き込まれ、いつか映画を見たいものだと思っていました。 短い85分の作品ですが、逆にそれがテンポよく展開していく感じがします。 ドラマ版も見た覚えがありますが、そちらも再見したくなります。

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心中遺体が発見

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鳥飼刑事と警視庁の三原が

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協力して捜査が

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そして怪しい人物が

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しかしなかなか崩れないアリバイ

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