駅にあるカフェでふたりの男が並んで会話をしている。 会話といっても年上の男が一方的に話しまくり、若い男はほとんど語ることがない。
年上の男はアルベルト(ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ)、若い男はジャンニ(キム・ロッシ・スチュアート)。 パオロ(アンドレア・ロッシ)という少年を、ミュンヘンからベルリンのリハビリ施設に送り届けることの話をしている。
実はジャンにはパオロの実の父親だった。 パオロは15歳になるが、初めてみるのだった。
パオロは障害を持って生まれてきた。 実の母親はジャンニが付き合っていた女性だったが、子供が難産で出産時に亡くなってしまった。 そして生まれてきた子に障害があったのだった。
絶望に浸るジャンニは子供を育てることができず、恋人の家族が養育してきたのだった。 アルベルトは義理の兄に近い存在だった。
初めて会う息子、初めての二人での列車の旅、そして生涯を持つ息子を観た時、彼の感情に変化が出つつあるのを彼自身が感じた。 また同時に大きな不安感もあった。
イタリア人のジャンニは病院についてもドイツ語がよくわからない。 一応プログラムが組まれていて、ハードなメニューだった。
その病院で、重い障害を持つ娘を看護する穏やかな女性ニコール(シャーロット・ランプリング)と出会う。 彼女はイタリア語も話すことができ、娘につきっきりでいた。しかし彼女にお父さんですか?と聞かれたときつい否定してしまうのだった。
ホテルに泊まり2日目、いよいよメニューが始まった。 杖をつかず、自力で歩行できるようにするメニューはパウロにはきつそうに見えた。 「少し休ませて。」訴えるパウロに担当医は意に介さず平然と続けるのだった。
そしてジャンニは大きな決断をするのだった・・・・
ジャンニは今までの自分の人生に大きな負い目を感じているのが冒頭のシーンからわかりますが、パウロ誕生の時の若さ、絶望感から決して彼を非難することはできませんが、もう少し早く会えなかったのかとはやはり感じますね。
ただこれも責められません。
ただ言えることは甥?とは言え、今までパウロを育ててきた叔父夫婦は大変だっただろうし、素晴らしいと言えると思います。
もちろんこの作品にはそんなシーンは出てきません。 ニコールとジャンルのやり取りが結構この映画の肝ですが、彼女はこう言います。
「こういう子の世話は男にはできないものよ。 男には耐えられない。」 そしてもう一つ驚くべきセリフがあるのですがそれは是非この作品を見て頂ければと思います。重ーい映画ですが心に残る作品でした。
殆ど初めて会う感じの父と子
これから行くところは
厳しいリハビリ施設
そこでニコールという女性に出会う
ジャンニはある決断をする