2021年作品、パオロ・ソレンティーノ監督、フィリッポ・スコッティ トニ・セルヴィッロ テレーザ・サポナンジェロ マーロン・ジュベア出演。
パトリツィア(ルイーザ・ラニエリ)がバスを待っていると、車に乗った謎の男に声を掛けられる。 自分は守護聖人で、子どもができない理由を説明してあげるからと言って車に乗せて、家に連れて行く。 そこには修道士の霊:モナシエロとおぼしき少年がいた。 その少年がパトリッツィアの鞄にお金を忍ばせた。 頭にキスをするよう言われ、かがむと守護聖人の男からおしりを触られた。「これで子を授かることができる」と言われた。
帰宅するとフランコ(マッシミリアーノ・ガッロ)が、また体を売ったのかとパトリツィアを責め立てて殴りかかる。 彼女は自室に逃げ込んで姉に電話で助けを求め、姉夫婦(トニ・セルヴィッロ、テレーザ・サポナンジェロ)は息子のファビエット(フィリッポ・スコッティ)が運転するバイクに3人で乗ってやってきた。
自宅の上の階に住んでいる婦人科医の男爵夫人が会いに来る。 彼女とのおしゃべりに付き合いながら夫の合図でベランダに出るファビエットの母。 バイクに乗ったファビエットと夫に口笛の合図を返す。 口笛で会話するのは夫婦の間の愛情表現だった。
週末、アジェーロラで妹の結婚相手に会うために親族が集まった。 緑豊かで、小高い場所にあるその家からは海が見渡せる。 偏屈なジェンティーノ婦人の発言を親戚一同がいつものこととして聞き流したり、近況を話していた。
妹のルイセラ(Viviana Cangiano)が婚約者を連れてやってきた。 70歳で声を発することができないので、機械を喉に押し当てながら話す男だった。 親族一同でボートに乗って海に泳ぎに行き、ファビエットの両親は仲良く2人で泳いでいた。 ボートにあがると、パトリツィアが全裸で日光浴していた。 その様子を親族全員唖然として見つめる。男数人が操縦する密漁船が海上警察に追われている様子を横目で見ながら、家へと帰ってきた。
俳優志望のファビエットの兄はオーディションに行くが、古風な顔だと言われ落とされたと言われる。美しい女優の写真に見惚れるファビエットだった。
監督はパオロ・ソレンティーノ、「グランドフィナーレ」 https://anttiorb.hatenablog.com/entry/14068699 を記事にしています。
主役の少年・ファビエット役はフィリッポ・スコッティ、今作が日本で初めて見れる出演作でしょうか。
パトリツィア役はルイーザ・ラニエリ、「アンドレア・ボチェッリ 奇跡のテノール」 https://anttiorb.hatenablog.com/entry/2019/12/05/060000 に出演していました。
この時代背景は、あのディエゴ・マラドーナの全盛期、ワールドカップで“神の手“のゴールを挙げ、ナポリに入団、そしてナポリを奇跡的な優勝に導いた時、ナポリの人が熱狂した時代でしたね。
そのいっときの少年の成長譚で、コメディタッチで進行していくんですが、中盤以降急展開でしたね。 兄と弟の生き方の違いもなんか青春の一片でした。