anttiorbの映画、映像の世界

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ぼくたちの哲学教室

2021年作品、ナーサ・ニ・キアナン デクラン・マッグラ監督、ケビン・マカリービー ジャン・マリー・リール出演。

北アイルランドベルファストにあるホーリークロス男子小学校では、哲学が主要科目になっている。 エルヴィス・プレスリーを愛し、威厳と愛嬌を兼ね備え、「どんな意見にも価値がある」と言うケヴィン校長の教えのもと、子どもたちは異なる立場の意見に耳を傾けながら、自らの思考を整理し、言葉にしていく。先生たちは授業に集中できない子や喧嘩を繰り返す子に常に共感を示し、さりげなく対話を持ちかける。 自分の内にある不安や怒り、衝動に気づき、コントロールすることが、生徒たちの身を守る何よりも武器となるとケヴィン校長は考える。 かつて暴力で問題解決を図ってきた後悔と挫折から、新たな憎しみの連鎖を生み出さないために導き出した1つの答えが哲学の授業だった。 北アイルランド紛争によりプロテスタントカトリックの対立が長く続き、“平和の壁”と呼ばれる分離壁が存在するベルファスト

1998年のベルファスト合意以降、大まかには平和が維持されているが、今なお一部の武装化した組織が若者の勧誘を続けている。 争いの記憶は薄れやすく、平和を維持するのは困難だ。 その難しさはケヴィン校長と生徒たちの対話にも現れる。 およそ2年に及ぶ撮影期間中にパンデミックが起こり、インターネット上のトラブルという新たな問題が表面化するなど、子どもをめぐる環境の変化も捉えている。

監督はナーサ・ニ・キアナンとクラン・マッグラ、もちろん初めての作品です。
この北アイルランドの“ベルファスト“は、映画 https://anttiorb.hatenablog.com/entry/2022/04/01/060000 にもなっている、有名なところですね。


そもそもアイルランドは、南北に分かれてしまって、側から見れば同じ民族なんだから一緒になればいいのに? と単純に考えてしまいます。 しかしそうなった歴史的な経緯、その底辺にはカトリックプロテスタントの対立があるようですね。
そんなこの地で男子小学校で哲学を必修科目にしているケヴィン校長。 この人間が大変魅力的なんですね。 ふんぞり帰ることなく、生徒たちが起こすいろんな問題に、哲学を持って対処していく。 それも押し付けるのではなく必ず対話を持って。 哲学者のいろんな教えのどこかに答えがある、そんなことを彼は現代で実践しているんですね。
そして未来を担う小学生たちに、国も地域の未来を助く信念を感じます。 これをかけてくれる川越スカラ座は素晴らしいですね!