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Fukushima 50

2020年作品、若松節朗監督、佐藤浩市 吉岡秀隆 吉岡里帆 堀部圭亮出演。


2011年3月11日午後2時46分、マグニチュード9.0、最大震度7という日本の観測史上最大となる地震が発生し、巨大津波福島第一原子力発電所を襲った。 津波による浸水で全電源を喪失してステーション・ブラック・アウト(SBO)となり、冷却不能の状況に陥った原子炉は、このままではメルトダウン (炉心溶融) により想像を絶する被害がもたらされることは明らかだった。
1・2号機当直長伊崎ら現場作業員は、原発内に残り原子炉制御に奔走する。 全体指揮を統括する吉田所長(渡辺謙)は部下たちを鼓舞する一方、状況を把握しきれていない本店や官邸に対し怒りをあらわにする。 しかし、現場の努力もむなしく事態は悪化の一途をたどり、近隣の人々は避難を余儀なくされる。
官邸が試算したこの事故による最悪のシナリオでは被害範囲は半径250km、避難対象人口は約5000万人にも及び、それは「東日本の壊滅」を意味する。現場に残された唯一の手段は「ベント」で、未だかつて世界で実施されたことのないこの手段は作業員が体ひとつで原子炉内に突入して行う手作業が要求される。外部と遮断され何の情報も入らない中、ついに作戦は始まる…


この“Fukushima 50”という言葉は、日本人にはあまりなじみのない言い方のような気がするのは、私だけでしょうか?
監督は若松節朗、「柘榴坂の仇討」 https://anttiorb.hatenablog.com/entry/12191068 を記事にしています。
主演は佐藤浩市、「楽園」 https://anttiorb.hatenablog.com/entry/2019/11/07/060000 では主要な役の一人でした。
渡辺謙は、「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」 https://anttiorb.hatenablog.com/entry/15971223 が近作出演ですが、今は亡き吉田所長役で熱演していました。


物語は9年前のあの東日本大震災津波による原発電源喪失、そして未曽有の大災害を耐え抜いた福島原発の所員たちのお話です。 まず起こった巨大な揺れ、ここでいったん電源が落ちてしまいましたが、緊急電源が入り、冷却装置が復活します。 まずはほっとしたのもつかの間、ここで津波が来ます。 これでSBOになってしまってからは、浮足立った電力会社の本社の対応、そして当時の不慣れな政権の取り乱しように、現場が翻弄されながら、必死に封じ込めよう、これ以上の大きな災害を食い止めようとした現場の奮闘です。


今作で知ったのは、2号機の圧が下がらず、このままでは日本が壊滅するほどの大爆発が起こる寸前だったことが描かれています。 ベントを行い、ある程度の放射線流出を覚悟することで、大事故を防ぐ、それも人間の手で行うという人海戦術、ぎりぎりの攻防が見ていて鬼気迫るものでした。
また、今作は反原発という側面だけを描いていません。 原発というのはある意味国家事業で、誘致することで雇用を生み、温暖化を引き起こすCO2を排出しないクリーンなエネルギーというのがうたい文句でした。 でもそれは、安全神話という、取り繕ったもので、なにか起こったときの被害が取り返しがつかない状況となることに耳をふさいだ、国家、地元、さらに言えば福島の電気を使っていた首都圏の人間たちに、大きすぎるお灸をすえた警告だった気がします。
電気を使う限り何らかの方法で発電所を作る。 本当はもう日本は原発を早くゼロにして、再生可能エネルギーの仕組みを作るべきなんですが、やはり火力の比率を上げてしまい、地球温暖化の急先鋒になってしまいました。

日本の将来を憂う映画ですね。

 

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巨大なゆれで非難した後

 

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外もめちゃくちゃ

 

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そして津波で非常電源も失い

 

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前代未聞の状況に

 

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非難した人々

 

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そして決死の戦いが始まる

 

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