2019年作品、本木一博演出。井上真央 毎熊克哉 藤原颯音 井上優吏出演。
光子(井上真央)がしきりに腰を押さえるように。 くるまやの人々は心配でならないのに、平造(毎熊克哉)だけは知らん顔。 そんな父が許せない寅次郎(井上優吏)は…。 そして光子は…。 寅次郎は香具師(やし)の政吉という男と知り合い…。 いよいよ車家の人々の運命が動き出す…
最終回ですね。
物語はとうとう寅次郎が、くるまやをあとする展開になって行きます。
最愛の光子の腰の異変は、やはり癌でした。 もう手の施しようもない状況、家族は覚悟をしましたが、父の平造は腑抜けのようになり、また家を開けて、飲んだくれになって行きます。 光子が死んでしまうことを受け入れられない平造、そんな父の姿にとうとう寅は。
今作は、その直前に、香具師の政吉という男との出会いがさらっと描かれていて、でもそれが寅次郎のくるまやからの脱出? につながっていくんですね。
今まで母の光子が、家族をつなぎとめ、大きな愛情の傘を久ていました。 しかしその大きな傘がなくなり、このままでは父と寅は完全に亀裂が入り、それがくるまやのみんなを不幸にしてしまう。 寅は、そんな未来を避けるために、一人家を出ていくんですね。
象徴的なのは、その時もまだ幼いさくらだけが見送るんですね。これはのちのシリーズのいつものシーンになって行きます。
寅が恋多き人間だというのは、美しい義母の光子の存在、そして第1作の「男はつらいよ」で、美しい女性になったさくらがいたからでしょうね。
寅の最初のマドンナは光子、そして二人目がさくらだったということなんでしょう。
母との思いで
そして寅は自分の将来の道を見つける
もうすぐ別れの時が