東北地方の片田舎町に真っ赤な格好をした男(植木等)が現れた。 「支部長はいるか?」 と横柄な態度に留守番をしていた農協職員の忠作はどんどん相手のペースになって行く。 彼は自分は伊賀良太郎と名乗り、東北新幹線建設事業の下検分だと言って忠作や村長を言いくるめ、誘致するメリットを話し、あっという間に手名づけてしまうのだった。
そのための資金が必要といい、忠作は村人から資金を集め良太郎に渡してしまうのだった。 しかし忠作の上司の井上(人見明)は、彼が秘書と言っていた代議士・牛尾雄三(柳谷寛)に連絡を入れたところ、そんな男はいないという事になってしまう。そして悪いことに本当の秘書の竹田(ハナ肇)が現れ、忠作はまた偽物と思い肥溜めに竹田を落としてしまうのだった。
さらに、小料理屋の娘・花子(小山ルミ)まで言葉巧みに東京に連れ去ってしまった。かねてより花子に想いを寄せていた忠作も彼女を求めて東京に向った。
村の騒ぎをよそに、再び東京に現われた良太郎は、水をガソリンに変えるという大発明に熱中する早川源内(谷啓)という男と、その妹光子(野川由美子に出会った。良太郎は、これをネタに一世一代の大がかりな詐欺を思いつくのだった。
彼は水をガソリンに変える研究なら売れると踏んだのだった。 まったく研究は成功していないにもかかわらず、口から出まかせで多方面に売り込み始める良太郎。 一方忠作は、焼き芋屋をやりながら花子を探しているのだった。
そして代議士の牛島に売り込むために変装をした良太郎は、あと一歩で金をくすめる寸前に、忠作に会ってしまい、その企ては失敗をするが、それを横で聞いていたのが産業スパイで、早くも目をつけていた。
1971年といえば、公害問題、光化学スモッグ、喘息をはじめとした公害病がいろんなところで取り上げられた時期ですね。 そしてほどなくオイルショックの時代に突入していくんですが、そのことを予言したかのような作品でした。
水からガソリン、ガソリンから水、そんな夢のような発明ができたら、一生食っていける。 作品ではそんなことが現実に起きてしまいますが(^^)
ある意味夢のあるクレージー映画の最終作品でした。
はたしてそんな発明ができるのか?