インドの都市、ムンバイの警察署に、3人の不良少年が捕えられる。 悪態をつき抵抗する3人の少年、このままでは4年間少年院に収監される彼らの前に、アジャ（ダヌーシュ）が現れる。
これからたっぷり時間をもてあます少年たちに、自らの体験したという物語を聞かせるアジャだった。
インドのムンバイ。 青年アジャは、幼い頃から路上で空中浮遊やイリュージョンなどのマジックショーを披露して生きてきた。 盗みを働くこともあったが、それは顔も知らない父親が暮らすパリへ行く費用を稼ぐためでもあった。
しかし、夢半ばで母が他界。 アジャは、母の遺灰とパスポート、100ユーロの偽札を手に、父を探すため、パリへ行くことを決意する。
パリに着いたアジャが最初に向かったのは、とあるインテリアショップ。 幼い頃に家具のカタログ雑誌を見て以来、カラフルでお洒落な家具に憧れていたのだ。 アジャはそこで、お客のアメリカ人女性マリー（エリン・モリアーティ）に一目惚れ。 早速、翌日のデートの約束を取り付ける。
だが、アジャにはその夜の宿の当てがなかった。 やむなく、家具店にあるクローゼットの中で眠りについたところ、そのクローゼットが真夜中にロンドンへ向けて発送されてしまう。 さらに、次から次へと意図せぬ出来事に巻き込まれ、アジャはパリからロンドン、スペイン、ローマ、リビアへ……。
行く先々で様々な国の人たちと出会うアジャ。 ローマでは大女優ネリー（ベレニス・ベジョ）と夢を語り、リビアでは難民キャンプで知り合った仲間と危険なミッションに挑み、出会った人々の人生をより良い方へと後押しする。
そして思いがけず始まったこの旅が、自分の生き方を大きく変えていることに、やがてアジャ自身も気づいていく…
これはインド映画だと思いましたが、いろんな国にいく、ロードムービーでもありました。
監督はケン・スコット、初めて作品を見ましたが、ちょっと旧作も見たくなる監督のようです。
主演はダヌーシュ、国外作品出演はまだ多くありませんが、もう監督業にも進出している若手成長株の役者、クリエイターですね。
そしてヒロイン役はエリン・モリアーティ、「ブラッド・ファーザー」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14967083.html で娘役をしていました。
ネリー役はベレニス・ベジョ、「シークレット・オブ・モンスター」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14586739.html で少年の母親役をしていましたね。
物語は、母子家庭に育ったアジャのお話です。 いきなり犯罪を犯し少年院に送られる3人の前に現われた彼は、これから自分の話を聞いて欲しいと言い、今までの体験を話し始めます。 はじめは突っ込みを入れ、真面目に聴こうとしなかった3人は、だんだん話に引き込まれていきます。
父は死んだといわれていた少年アジャ、でも彼はそれを信じず、近くにいる誰かが父だと思い、いろんな男性のことをお父さんなの？ といちいち母に聞いていました。 そしてやっとのことで知ったのが、父はパリにいるということでした。
手先が器用で、口の上手いアジャは仲間とつるんで、手品を見せ、スリをしたり犯罪に手を染めて行きます。 それは金を貯めて母をパリに連れて行くためでした。 しかし母が病気で死んでしまい、彼は今まで貯めていた金でパリに行き父を見つけに行きます。 しかしその前夜、借金をしていたボスに有り金を全部持っていかれ、偽の100ユーロだけをもってパリに出発しました。
彼が好きだったのはヨーロッパのおしゃれな家具、インテリアショップで、アメリカ人のマリーと出会い一目ぼれ、そして明日会う約束をするんですが、たまたまクローゼットの中で寝ていたのがウンのつきでした。
今作は、アジャのどんどん回転して行く人生が面白いんですね。 彼の考えは金がすべて、でもなかなか自分は運が悪く金がたまらないと卑下しているんですね。 でもネリーとであったことで思わぬ金が入りますが、実はそれはあっという間になくなります。 でもそれで彼はあることに気がつくんですね。
彼の人生は大きな転換を迎えますが、それが実話なのかは、最後の彼のセリフが粋なんですよね。
母と二人暮らしのアジャ
小さいころから手品を見て金を稼ぐことを覚える
母が亡くなりひとりでパリに
そこでクロゼットに入ったことで
彼女との約束をすっぽかすだけでなく
世界中を旅に、そして大女優のネリーと出会う
