モントリオール世界映画祭で、深津絵里が主演女優賞を取り大きな話題になりましたね。 そのときの妻夫木君がかっこよかったのが印象に残っています。 ぜひ見たい作品でした。
自由奔放に生きる佳乃が何気なく遊び心で付き合った男祐一(妻夫木)を理不尽にすっぽかすところから始まる殺人事件。 もう一人の甘やかされ男の圭吾(岡田将生)にくっついていくが、直前に食った餃子のにんにく臭で、途中車から強引に下ろされる。 後から追ってきた祐一は助けようとするのだが、かえって佳乃に逆恨みされかっとして殺してしまう。
同じ頃に携帯の出会いサイトと知り合った、光代(深津)は実直な紳士服販売店員。いかにもそんなところで知り合った男についていくような感じではないのだが、双子の妹の奔放な生き方に何かやりきれないものを感じており、祐一について行ってしまう。
殺人を犯した怖さから強烈な孤独感を持っていた祐一は光代にすべてを打ち明け一度は自首しようとするのだが・・・
題名の「悪人」とはいったい誰の事を指すのか? すべてなのか? また全部違うのか? 一人一人の内面まで抉った鋭い映画でしたね。 李監督は「フラガール」も撮っていてこれも好きな作品でしたのでいずれ書きたいと思いますが、心理描写がすごくうまいですね。
最後祐一の逮捕される瞬間のクライマックスは、いろいろ考えさせられるシーンでしたが、観た人それぞれ受け取り方は違いますが、自分としては誠意いっぱいの祐一が光代にできることだったのではと思います。
しばらく心に残りそうな作品でした。
この二人のいさかいから始まった
決して褒められた生活をしていなかった祐一だが
別世界で生きていた光代
二人の逃避行が始まる
母親に群がるマスコミ
佳乃の父は真相に迫っていく