妻夫木作品連続ですね。 この映画は原作を読んでいたんですが、途中まで気が付きませんでした。
時は幕末、主人公の別所彦次郎（妻夫木）は今をときめく榎本武揚と再会する。 出世したと友と今の自分の境遇を卑下するのだが、そこである話を聞く。 三回り稲荷という霊見あらかたな稲荷に手を合わせると幸運が舞い込み出世するという噂。 その夜酔って川岸を歩いている時誤って足を踏み外した。 ふと立ち上がると古ぼけて朽ちた稲荷がある。 これが霊見のある稲荷かと手を合わせる。 そこに登場する商人（西田敏行）。
誘いに乗り料亭でどんちゃん騒ぎ。 そこで彦次郎はこれこそ霊見かと、その商人に問いただすと、始めは言い渋っていたが実は自分は貧乏神という。 彦次郎が手を合わしたのはなんと 「三巡り稲荷」 だったのである。
三巡りとは三神が次々と巡り宿り、それはなんと貧乏神、疫病神、死神ということだった。 一回手を合わせたら取り消しは効かないということ。 果たして彦次郎の運命は・・・
浅田次郎は泣かせあり、自虐のエッセイあり、コメディありの振り幅の広い作家ですが、今回は幕末の激動期に起こったある武士の悲喜劇です。 次の疫病神に赤井英和、最後の死神に森迫永依とそれぞれの神に個性を持たしてあります。
ただ武士として最後の心意気を彦次郎が示すところが、当時の歴史から消えゆく武家の寂しさが現れておりますね。
ラストに作家自ら出てきますが、確か浅田次郎は出たがりでしたね。 また浅田ワールドを読みたくなりました。
まずは貧乏神
厄介な奴をしょい込んでしまった
そして最後に
彼の運命は？
