anttiorbの映画、映像の世界

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グリーンブック

2018年作品、ピーター・ファレリー監督、ヴィゴ・モーテンセン マハーシャラ・アリ リンダ・カーデリーニ出演。

ニューヨークのナイトクラブで用心棒として働くトニー(ヴィゴ・モーテンセン)。 いつものように、用心棒として、店で喧嘩を始めた男を叩きのめし、店から追い払う。 男は捨て台詞を残し逃げていく。 しかし、店からしばらく、仕事がなくなると言われる。
腕時計を質に入れ、ホットドッグの大食い競走に出て、小金を稼ぐが、そろそろ家賃が払えなくなり、生活費も困ってくると、妻のドロレス(リンダ・カーデリーニ)に言われてしまい、さらには店で叩きのめした男が少し厄介な男だということがわかる。
そんな時、店舗の改装でぽっかり空いた2か月を生める仕事の依頼が来る。 あるドクターの運転手として働かないかと誘われたのだった。 言われて訪ねた場所は、なんとカーネギー・ホールだった。
ドクターということで、てっきり医者だと思っていたトニーだったが、そんな彼の前に現れたのは、黒人ピアニストだった。 ドクターというのは、博士号を持つことから来た呼び名なのだ。
『黒人と働くことに抵抗が?』 という質問に、問題ないと答えるトニーだが、南部、特に人種差別意識の強いディープサウスのツアーに出かけるというドクターの計画を聞き、あまりに無謀だと言って仕事を断る。 それに報酬が少ないとも言った。
しかし、事前の調査でトニーの機転が利き腕っぷしの強いこと知っていたドクターは、トニーの希望する高額のギャランティを約束してトニーを雇うことにする。
ツアー旅行初日。 ドクターはトニーに黒人用の旅行ガイドブック 『グリーンブック』を手渡す。 この本には黒人が泊まれるホテルやモーテル、立ち寄れるBARやレストランが記されていた。
移民の街ニューヨークで暮らしていたトニーは、思わぬ黒人への差別意識に驚きを隠せなかった・・・

作品賞を取ったこの作品、期待通りの良作でした。
監督はピーター・ファレリー、作品を見るのは初めてですね。
主演はヴィゴ・モーテンセン、「はじまりへの旅」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14839197.html で父親で主演をしていました。 今作はちょっとさらに貫禄のある体型になっています。
そしてマハーシャラ・アリ、「スパイダーマン:スパイダーバース」 では叔父のアーロンの声をしていましたし、「アリータ:バトル・エンジェル」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/15893060.html ではベクター役でしたね。 小悪というポジションでした。
そしてドロレス役がリンダ・カーデリーニ、「ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/15069304.html でジョアン役をしていました。

物語は、トニーが請われてある天才黒人ピアニストのお供で、公演の旅に出るお話です。 用心棒で、ぶっきらぼう、そして腕っ節は強く、口も達者。 でも下品で、かざりっけがなく、いかにもイタリア系のギャング崩れのようなトニー。
一方、ドク・シャーリーは博士号を持っていて、天才ピアニスト。 小さいころに才能を認められソ連に留学をしたほどなんですね。 今回はそんな彼がトリオで南部に演奏ツアーに行くということ。 しかし、それは黒人のドクにとっては、行く前から困難を伴うものだということは、さすがのトニーもわかっていました。
しかしギャラも希望通り、さらには彼は電話で奥さんのドロレスを説得してしまうんですね。 彼女の要望はただひとつ、手紙をマメに書くことでした。 そして旅が始まりますが、予想通り、いや予想以上に辛いものでした。

今作は、1960年代で、まだまだ南部の州では苛酷な奴隷制度が残っている時代でした。 法律では1971年にようやく選挙権等が保証されますが、それまではリンカーンが開放宣言をしても、特に南部では根強く残っていました。
映画の中では、ナット・キング・コールの話が語られていましたが、このドクがどうしてそんな南部にツアーに行くのか? これは泣けるシーンと、感動シーンが交互にやってきます。 
はじめは水と油のようなトニーとドクでしたが、トニーがドクの人となり、そして強さを感じたときに氷が解けていくところがなんとも爽快でした。
いい作品でした。 こういう作品が作品賞を取るのはいいですね。

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大食い競走で小銭を稼ぐが

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ドクのところに面接に行く

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いったんは断るが妻も納得

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コンサートは盛況だった

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しかし黒人いたしては

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しかし二人はだんだん心を開いていく

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