anttiorbの映画、映像の世界

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女王陛下のお気に入り


18世紀初頭のイングランド。 国はフランスと戦争状態にあったが宮廷の人々は豪華絢爛、遊びに興じる生活を送っていた。
アン女王(オリヴィア・コールマン)は虚弱体質で体調が悪くなることがしょっちゅう、幼馴染で側近のサラ・チャーチルレイチェル・ワイズ)が女王を常に助けていた。
そこに到着したのがサラの従姉妹アビゲイルエマ・ストーン)。 降りる瞬間に他の者に馬車から突き落とされ、汚れたままで宮殿にやってきたアビゲイルは、まず料理や洗濯など他の侍女たちと同じ仕事を任される。 しかしアン女王の痛風を和らげるための薬草を森で採取し、発疹を止めたことからアビゲイルの待遇は良いものとなるのだった。 一方で地元の政治家ロバート・ハーレー(ニコラス・ホルト)は、戦争を止めさせることを考えていた。
そんななか他の政治家シドニーゴドルフィン(ジェームズ・スミス)は、戦争を続けなければならないと主張する。 サラはアン女王に新しい戦争のために市民への税を倍にすると約束させ、ハーレーは激怒する。 彼は女王に戦争について話すことを試みますがなかなか上手くいかない。
そんな最中に開かれた大きなパーティーで、ダンスをするサラを見ていた車椅子のアン女王は、精神が不安定になり会場を後にする。 パーティーの間こっそり女王の部屋に本を探しに来ていたアビゲイルは、喧嘩した後性行為に及ぶ女王とサラを目撃、気付かれないようにこっそりと立ち去るのだった。
それから間もなく、サラの夫ジョン(マーク・ゲイティス)は戦争を率いるために宮殿を後にした。 ハーレーはアビゲイルに接近し、サラとアンを偵察し何が彼女たちの好意を弾く方法を探るように言うがアビゲイルは拒否した。
それまでアン女王はアビゲイルにさほど関心を抱いていなかったが、アビゲイルが女王のうさぎたちに興味を抱いたことから状況は一転する。 アンはアビゲイルを寵愛するようになる。 女王は流産と死産を何度も経験し、計17人の子供を亡くした代わりにうさぎをたくさん飼っているのだった。
政治に忙しいサラではなくアビゲイルと多くの時間を過ごすようになったアン。 やきもきしていたサラはある夜女王のベッドでアビゲイルと女王が一緒に寝ているのを発見してしまう。
翌日彼女はアビゲイルに本を投げてぶつけ、女王の周りの仕事から解雇すると告げる。 それを聞いたアビゲイルは本で自らをぶって鼻血を出し、女王の部屋の前で大泣きを始めるのだった・・・

これはなかなか興味深い作品でした。
監督はヨルゴス・ランティモス、「聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/15446615.html も衝撃的な作品でした。
主演と言うか3人の女優の共演です。 エマ・ストーンは、「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/15632140.html が近作でしたね。
そしてレイチェル・ワイズ、「否定と肯定」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/15276193.html が近作でした。 これも結構ショッキングな作品でした。
最後にオリヴィア・コールマン、実質の主役でした。 「オリエント急行殺人事件」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/15280190.html が近作となります。

物語は英仏戦争の18世紀のお話。 国は交戦派と、講和派が争っていますが、アン女王はその狭間でふらふらしています。 側近のサラは交戦派、しかしそのためには増税が必要と言うことを唱えています。 しかしハーレーは増税をすると、国に対して人心が離れるといい講和をするよう女王に進言します。
そこに現れたアビゲイル、彼女はサラの姪ということでしたが、落ちぶれてしまい、ここに拾われた形になります。 侍女として始めますが、アン女王に薬草を使い、痛みを和らげたことから、重宝されるようになります。
しかし彼女は結構な野心家でした。 穏健的なハーレーに近づき、決定的なのは、女王とサラの情事を見てからでした。 ここに入っていく事が女王の寵愛を勝ち取ることを思いついたのでした。

今作は、大英帝国の恥部を見たような感じでした。 中世ではなくどちらかと言うと近代ですが、旧態依然としたイギリス王朝、よくこれで世界の覇権を握っていたと思うと、物語のようで、意外にリアルだったような気がします。
そして3人の女優の競い合いがみれるのも面白いですね。 必見の注目作品でした。

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アンとサラ

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そこにサラの姪のアビゲイルがやってくる

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そしてウサギを可愛がったことから

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アビゲイルの存在が増していく

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穏健派の筆頭のハーレー

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そしてサラの地位を奪うアビゲイルだった

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