ハワイに佇む美しき湾・ハナレイ・ベイに、タカシ(佐野玲於)はいた。 サーフィンをするために、朝一の波を狙って海を目指し歩くタカシ。 バックにはある曲が流れている。
日本の彼の自宅に、電話が鳴り響く。 そこはマンションの一室。 タカシの母親サチ(吉田羊)の家だ。 タカシがサーフィン中にサメに襲われ、右足を食いちぎられ亡くなったという知らせだった。
ハナレイ・ベイを訪れ、息子の亡骸を確認し、手続きを進める母親・サチ。 遺品の中には、古いカセットテープが残されていた。 地元の人の計らいで、息子の手形を残していいか? と問われるサチは、私には必要ないと断ってしまう。 結局、手形は必要になる時まで預かってもらうことになるのだった。 そして、涙も流さず、どこか冷めた態度のサチだった。
帰国してタカシの葬儀のあと、サチは息子の荷物を段ボールに詰め込み封印してしまう。 自分の心も、思い出も一緒に封印してしまうかのように。
それから10年間。 サチは、決まってその時期にハナレイ・ベイを訪れるのだった。いつも同じ場所、海が見渡せる木陰にイスを置き、本を読む。 しかしサチは決して海には近づかない。
タカシが死んで、10年。 ハナレイ・ベイでいつものように過ごすサチは、日本から来た2人組のサーファーと出会う。 高橋(村上虹郎)と三宅(佐藤魁)は息子と同じぐらいの歳で、サチはなぜか放っておけないのだった。 今まではテントで寝ていたが、そろそろホテルに泊まりたいと思い、彼女は息子が10年前に泊まっていた安ホテルを紹介してあげる。
しかし今は綺麗なこじんまりとしたホテルになってはいるが。
純粋にサーフィンを楽しむ2人と関わっていくうちに、サチにも笑顔が出始める。 そんな時、2人からある話を耳にするのだった。
それは、「赤いサーフボードを持った、片脚の日本人サーファーを何度も見た」 と・・・
村上春樹原作というのは知らないで見に行きました。 予告編が何か気になる作りでしたから。
主演は吉田羊、「コーヒーが冷めないうちに」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/15703817.html が近作です。 意地っ張りの姉の役でしたが、決め手からは見事な役でした。
もう一人が佐藤魁、彼はどうしても役者とは思えない、そう彼はプロサーファーということでした(^^)
物語は、いきなり海の事故で息子を失った女性のお話。 父が死んで母と息子の二人暮らし、しかし母と息子の間には溝がある感じで、しっくりいっていないようです。いきなりサメに襲われ、息子のタカシは命を失います。 彼の右足は遺体にも存在しませんでしたが、顔はきれいでした。
しかしサチは涙を見せず、日本で葬儀をした後、息子の部屋を整理してしまいます。それから毎年、彼女はなぜか、そのころハナレイ・ベイに行きしばらく滞在するのが習慣になるんですね。
今作は、美しいハワイのハナレイ・ベイに魅入られたような母と息子、そんな感じがしますが、母と息子の間が疎遠のまま終わってしまった親子関係、どうしても修復は不可能と思われたときに、ふたりの若いサーファーと出会うんですね。 そして二人が帰国する時に言ったある噂、そしてサチの気持ちがようやく10年ぶりに動くのが、痛々しいんですが先に進める一歩になっています。 最後に彼女がみたのはなんでしょうか?
サーフボードを買ってあげるサチ
そして、ここに行くと言い出すタカシ
しかし彼はサメに襲われ死んでしまう
そして死んだ時期にサチは毎年ここに座る
そんな時ふたりの少年に出会う