朝子(唐田えりか)と麦(東出昌大)の出会いは、百貨店のエレベーターホールだった。 朝子がエレベーターを待っていると、降りてきたエレベーターの中から、パーカーにジーンズ、素足にゴム草履、といういでたちの手足が長い男、麦が歌を口ずさみながら出てきた。
そんな口ずさんでいる歌も含めて、心奪われる朝子。 麦のことが気になりながらも、エレベーターホールではただ通りすがっただけで終わる。
しかし、朝子は、飲み屋で麦と再会し、その後、友だち関係を経て、自然と恋人同士になるのだった。 しかし親友の島春代(伊藤沙莉)は危険だといい、春代は麦の親戚の岡崎伸行(渡辺大知)と知り合いで、4人は関係があることを知る。
しかし、フワッとしている麦は、突然、フワッと姿を消したりしてしまう。 岡崎はそういう麦には慣れているが、朝子は初めは心細かった。
また、朝子が家に帰ってくると、何事もなかったように朝子の部屋にいて、朝子が一週間前に掃除しようと思っていたが掃除もせず、濡れたまま放置していた雑巾代わりのタオルに生えているカビをしゃがんでじっと見て、「すげーな。 この強い感じの緑色。 ふわっとしてる」 「俺は遅くなってもちゃんと帰ってくるから大丈夫」 「さあちゃんがいるところに帰ってくる」 と、謝ることもない麦だった。
そしていつしか、朝子は突然いなくなったことを、とがめることもなく、ただ目の前に麦がいることに幸せを感じるようになっていったが。
そして、またも麦が突然姿を消してしまう。 しかし今度は帰って来なかった。
麦が姿を消してから3年が経ったある日、東京に出た朝子は麦を見つける。 しかし、その男は麦本人ではなく、麦の顔をした亮平(東出昌大)という男だった。
顔のパーツも輪郭も、再び見る事を願っていた麦そのものの顔であるにも関わらず、その男は麦ではない。 朝子は激しく動揺をしてしまい、彼を避けるようにする。しかし喫茶店で珈琲の出前をしているので嫌でも顔を合わせてしまう。 一方どうして避けられているのかわからない亮平は、朝子の事が気になり始める。
そして、朝子が倒れたところを、亮平が介抱したことをきっかけに朝子と亮平は恋人同士になる。
朝子は、亮平と付き合いが続いても、顔が麦そのものに見えて仕方がない。
朝子は、鈴木マヤ(山下リオ)とルームシェアをしていたが、そこに亮平は会社の同僚の串橋耕介(瀬戸康史)を連れてやってくる。 劇団の女優のマヤと耕介は言い合いになってしまうが、それがきっかけで付き合うことになっていく。
そして二つのカップルができるのだったが・・・
これはちょっと面白いサスペンス風のドラマでした。
監督は濱口竜介、作品ははじめて見ますが、いい作風の作品で、ちょっと過去作も見たくなりました。
物語は、謎の行動を取る鳥居麦と運命的な出会いを感じた泉谷朝子の人生のお話です。 惹かれあったふたりでしたが、「必ずもどってくる」 という言葉を残してぷっつりと消息を絶った麦。
一方同じ顔をした亮平が、そんな朝子と出会ってしまうんですね。 激しく動揺した朝子でしたが、同じ顔だから惹かれたのか、それとも亮平の優しさを好きになったのか? そして二人は同棲を経て結婚に向かっていくんですが、しばらく会っていなかった春代と再会してから、なんとなく運命の歯車がまた変わってしまうんですね。そう麦との再会でした。
これは終盤きつい展開になっていきます。 そして東日本大震災も結構重要なファクターになっているんですね。 男だったら最後どういう選択をするのか? 男にとってきついことでしたが。
運命的な出会いをしたふたり
そしてこの二人も縁があった
しかし麦は消え、東京で亮平と会う
そして友達から
仲間が出来るが
仙台へ復興の手伝いに
しかし