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ゆずりは

2018年作品、加門幾生監督、滝川広志 柾木玲弥 勝部演之 島かおり出演。

52歳の水島正二(滝川広志)は葬儀社・安宅の営業部長。 社長の松波平二郎(勝部演之)の信頼も厚く、現場はほとんど彼が仕切っている。 この日の進行は沢田朋子(大和田紗希)が勤めていたが、突然の僧侶の具合が悪くなり、進行を伸ばすことに戸惑ってしまう。 とっさに社長が助け舟を出し、僧侶の対応を水島がする。 絶妙なチームワークで葬儀を円滑に進めることができる。
彼の務める会社に、茶髪にピアスという風貌の高梨歩(柾木玲弥)が新入社員として面接にやって来た。 見るからに素行は葬儀屋の社員としては不向きと思われ、そうそう不合格にしようとした時、彼はある話をして泣き始めた。 その姿を見て、水島は一緒に面接をした柴山はつ子(三谷悦代)と、篠原幸一(小林博)の反対を押し切って、採用を決めるのだった。 社長は水島が言うのならといって、まずは見習いとして採用をする。
高梨を厳しく指導する水島たち葬儀社スタッフ。
そんな時、目が不自由な夫がなくなったという家に行く水島、沢田、高梨。 もちろん彼は見ているだけだったが、水島が席を外している時に、彼はたった一人になってしまった年老いた妻・佐倉琴子(島かおり)に寄り添い、話を聞いてあげていた。 今まで憔悴しきっていた琴子に笑いがもどり、なんと高梨に進行をお願いしたいとまで言い始める。
心配された彼の司会進行だったが、号泣しながらもしっかりと故人の思い出を話す姿に参列者も涙に暮れる。 一見では破天荒な高梨のなかに、実はご遺族にしっかりと向き合い、自然体で心に寄り添う豊かな感受性があることに、水島は気が付き始めるのだった。
一方で水島はかつて、妻の直子(原田佳奈)を自死で失っていた。 長い間子宝に恵まれず、彼自身の身体に原因があると知った水島は、妻の死の要因と関係があるとずっと後悔をしていたのだった。
そして、妻の死後、自暴自棄になって荒れていた自分を救ってくれたのは、亡き妻の父親である松波だったのだ・・・

これは予告編を見て、行きたいなあと思った作品でした。
監督は加門幾生、監督作品はもう1作ありますが、もともとはテレビの仕事が多いようですね。
主演は滝川広志、といってもぴんと来ませんよね。 コロッケといったほうがいいですね。 役者としてみたのは初めてですが、「イントゥ・ザ・サン」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/7730216.html にチラッと出ているようです。
そして柾木玲弥、「PARKS パークス」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14900117.html に出演していました。

物語は、ある葬儀屋さんのお話ですね。 水島というベテラン社員、社長の信頼も厚く、部下も全幅の信頼をしています。 葬儀では決して涙を流してはいけない。 確かに葬儀屋さんが泣いている姿を見る事はあまり無いですね。 いちいち感情移入していたら、大事な葬儀の進行がおかしくなるから、そういう水島の言葉は良くわかります。
そこにはいって来た若い高梨、見るからにチャらい感じなんですが、彼は実に感情が深い人間なんですね。 そして相手の懐に飛び込むのが天性のものがあるようです。 そして外見とは違い、しっかりした気持ちの持ち主でした。
このあとの話で、自殺を した女子高校生の葬儀のシーンがあります。 大変つらい、しかしありえるシチュエーションで、いじめが原因でした。 見るからに苛めていたような同級生の女子3人に、出て行けと一括してしまい水島に殴られるんですが、ここがハイライト、そしてそのあと水島が参列者に言う言葉が、実に深いんですね。
この歳になると、いろんな葬儀、お通夜に列席することが増えますし、身内の場合も多くなってきています。 しかしこういう葬儀屋さんに自分の時も任せたくなる、そんな心温まる作品でした。

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社長が植えたゆずりは

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面接を受けに来た茶髪の高梨

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ご主人が亡くなった家庭に

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何かを持っている高梨を感じた水島

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そして彼は経験を積み社員に

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