anttiorbの映画、映像の世界

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祈りの幕が下りる時


仙台市で、田島百合子(伊藤蘭)という女性がホステスのバイトの面接を受けに来た。 彼女は人生の酸いも甘いも知っているから水商売の世界でやっていくという自信があるとアピールし、人柄を買われ、ホステスとして雇われた。
面接官によると、どこか孤独で、結婚していたが離婚して、仙台市に来た模様だったという。 ホステスとして雇われ、働くうち軌道に乗ってきて、恋人もできて明るくなった様子だった。
しかし、ある日急性心不全のため、亡くなってしまう。 百合子の恋人と名乗る男から、息子である加賀恭一郎(阿部寛)に母が死んだこと、遺留品を引き取ってほしいと書かれた一通の手紙が届く。 加賀は母との思い出は少なく、幼少期、父親(山崎努)が介護・子育てを全て百合子に押し付けて、心を病んだ状態になり、父と離婚後、会っていなかった。
加賀は両親が離婚後、母と父、両方と縁を切り、ひとり離れて、東京で警察官となり、暮らしていた。 その為、恋人の存在も知らず、調べようとしたが行方不明だという。 そして16年の月日が過ぎてしまう。
ある日、加賀は、同僚の松宮脩平(溝端淳平)から最近起きた事件で、不思議な点がある殺人事件が2件起きていると相談される。 ひとつは、ホームレスの焼死体が発見され、身元が分かっていない事件。 次に、押谷道子(中井島ひろ子)という女性が自宅アパートで、何者かに首を絞められて、殺害された事件だった。 二つの事件には、どちらも殺害場所が近く、殺害日時が近いという共通点があった。
押谷の事件が起きたアパートは越谷という住人が住んでいたアパートだったという。しかし越谷も行方不明だった。 アパートの中を見ると、日本橋、京橋、心斎橋など日本にある12の橋が記されたメモが残っていた。 加賀はこの12の橋を知っていた。 何故なら、母の遺留品の中のカレンダーに、越谷と全く同 じ12の橋が記載されていたからだった。
メモとカレンダーの筆跡もDNA鑑定すると同じものだった。 加賀は母の百合子と越宮の共通点に驚き、ずっと知りたかった母の離婚後の人生も知りたかったことから、松宮と共に事件の捜査に加わる。 偶然にも、押谷は、加賀の友人・浅居博美(松嶋菜々子)と知り合いだったのだ。
浅居は、歌舞伎役者をしていた過去を持ち、現在舞台の幕の土台を作り上げる演出家として活躍する人物だった。 加賀は、押谷が殺害されたことを打ち明け、越谷という人物を知らないか、行方が分からないかと情報を得ようとするが、浅居は何も知らないというのだった・・・

これがシリーズ最後になるということらしいですが、もったいない人気シリーズだと思います。
監督は福澤克雄、これが映画監督としては2作目ですが、1作目は未見で、ほとんどテレビ畑の監督ですね。
もちろん主演は阿部寛、「空海-KU-KAI- 美しき王妃の謎」 「北の桜守」 と新作出演がどんどん公開されますね。
そして松嶋菜々子、映画出演作は 「藁の楯 わらのたて」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/9274963.html 以来ですね。

物語は、二つの殺人事件から始る加賀恭一郎最後の事件ということですね。 どうして加賀はここ日本橋を離れないのか? その謎がとうとう明かされる回、実はそれが最後のことになるっていうことですね。
一見共通点のない二つの殺人事件、しかし加賀の従兄弟の松宮が、もしかしたら同じ殺人犯の仕業かもしれないという推理から、事件の共通性が垣間見えてきます。しかし事件はそんな単純ではありませんでした。
関係者をたどっていってもどこかぷつりと切れてしまう手がかり、しかしそれを結ぶ一本の線は、何と加賀自身にあったということ、そしてそれが加賀がこの16年間ずっと追ってきたある人物にたどり着くんですね。
刑事ドラマなんですが、泣けてしまうこのシリーズ、今作では舞台演出家の浅井博美の生き方が実に悲しく切ないんですね。 人間の人生は、ほんのちょっとしたことから、たった一人の無責任な行動から、大きく狂っていってしまう。 博美の人生は実の母親が凶事を起こしてしまいます。 そしてその母親が、再び郷里に現れるんですね。
父と娘、どうして何も悪いことをしていなかった二人がこんな目に遭うのか、世の中から隠れて生きていかなければならないのか、悲しい涙があふれてしまう作品、しかし最後の加賀作品は、秀作でした。

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母の遺骨を取りに行き、父に激怒する若き加賀恭一郎

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月日は流れ、二つの殺人事件の捜査に参加する

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浅井と加賀は、顔馴染みだった

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金森に手伝ってもらい

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そして浅井博美のところに

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