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悪と仮面のルール

2018年作品、中村哲平監督、玉木宏 新木優子 吉沢亮 中村達也出演。

11歳の久喜文宏は、ある日酔った父・久喜捷三(村井國夫)に呼び出され、自分はこの世に災いをなす絶対的な悪=“邪”になるために創られたことを知らされる。  彼の母はもうこの世にいないが、父と違い優しく正直な女性だった。 母亡き後父に引き取られたが、父は彼が14歳になった時、邪になるためにあることを見せつけるというのだった。
孤児で、同じように父に引き取られた香織もそこに呼ばれていたが、二人は父の意図することがわからない。 優しく、可憐な少女の香織は、文宏にとって初恋の相手となった。 もちろん香織の方も、真面目で誠実な文宏のことが好きだった。
ある病院で、顔に包帯を巻いた男がいた。 医師(呉汝俊)から今日からあなたは“新谷弘一” という別人になったと告げられ、免許証を渡される。 整形手術後なので、新しい顔に慣れるまで時間がかかると言われる。
彼がまずあったのは探偵・榊原(光石研)だった。 いきなり、久喜捷三の探偵をしていたと問うが、彼は素知らぬ顔で恍ける。 しっかりしている探偵だと感じた新谷は、報酬は通常の3倍出すからと言い、香織(新木裕子)について調べて、あらゆることを教えてほしいと言い出す。
彼女は今はホステスをしていることがわかり、店まで突き止めてくれる榊原、しかし彼女にはある厄介な奴が顧客として近づいて来ていた。 麻薬中毒のおとこで、彼女を薬漬けにされる恐れがあった。 新谷はその男の排除に取り掛かるのだった。
そして世間では、テロ集団が国家を騒がしていた。 そしていきなり持っていないはずのガラケーがポケットにあり、若い男が文宏宛に電話をかけてくるのだった。
恍ける新谷だったが、その男の指定された場所に行くことになる。 それは彼もまた、香織に危害を加える可能性があったからだった。
新谷とはいったい誰なのか? そして香織は危険にさらされているのか?…

あまり予告編も見なかった今作品、でも私は結構好きな作りでした。
監督は中村哲平、作品を見るのは初めてです。
主演は玉木宏、近作は 「探偵ミタライの事件簿 星籠(せいろ)の海」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14196822.html 私が見た彼の主演作は、「幕末高校生」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/11951931.html 「変身」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14364020.html です。
そして新木優子、「僕らのごはんは明日で待ってる」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14673604.html での演技がよくて、注目の若手女優 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/15299841.html  にも上げてしまったくらいです。 彼女が出ているから行こうという気もなりました。

物語は、包帯を巻いた男と、父親から脅しをかけられる少年が並行して描かれていきます。 包帯を巻いた男は、どうやらこの世にはいない男になり変わったようです。その名前が新谷弘一というんですね。 あとから刑事が登場し、この新谷のことをよく知っている彼の説明で、新谷という人物が実は相当悪い男だったことが語られます。 もちろん多少はその人物のことは聞いていたでしょうが、包帯を外した男はどうも悪い人間ではなさそう。 そしてある女性を必死に守ろうとしていることがうかがえます。
そして、少年の父が、久喜捷三と言い、久喜財閥の総帥だという事もだんだんわかってきますが、彼は突然失踪、いまだに行方不明という事、おそらく死んでいるとされ、久喜財閥は長男が引きついているんですね。長男を演じているのが、最近逮捕された中村達也ですが、この作品のような人物そのものなんでしょうか?
面白いのは、この久喜グループは、国家の裏で、いろいろ表の人にはできない汚い仕事を請け負っているようですね。 そしてそういう手を汚す人間は、“邪” という世間とはかけ離れた人間になることを求められる、そういう言い方、表現が面白いですね。 そしてそうなるために生きるのが嫌になるほどの屈辱、ショックを受ける体験をさせるというのが何とも。
玉木宏が非常にソフトな俳優なので、サスペンス調な作品はどうかな?と思いましたが、実はこれはけっこう強烈なラブストーリーとなっています。
140分弱の長尺のお話ですが、ラストの告白シーンはしっかり真意を伝えるためにわざと長く語らせている、そしてここがあるからこそ、愛のドラマという事がわかるんですね。
愛の物語としては良い作品です。

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少年は父から“邪”になることを義務付けられた

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顔を変えた男

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そしてこの男、探偵にあい

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彼女のことを調べる

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そして害になりそうな人物を消していく

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さらに接触してくる若い男

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そして、“新谷”を知っている刑事

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