anttiorbの映画、映像の世界

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MR.LONG/ミスター・ロン

2017年作品、SABU監督、チャン・チェン 青柳翔 イレブン・ヤオ バイ・ルンイン 出演。

ナイフの達人で殺し屋のロン(チャン・チェン)は、数人の大男をあっという間にそのナイフで殺してしまう腕の持ち主だった。 次のターゲットは、東京・六本木ということで、日本にやってきたロンだったが、彼らしくなく、ターゲットの仲間に捕まってしまう。
台湾マフィア暗殺の仕事に失敗し、処刑寸前の時、一人の男(青柳翔)がヤクザの集団に襲い掛かり、その混乱の中、一台のトラックの荷台に飛び込んで、追っ手をかわすロンだった。 その男はヤクザに撃ち殺されたが、別れ際あるものをロンに渡すのだった。
ロンが着いた先は、廃墟のような集落だった。 北関東らしいがロンはここがどこだかはよくわからない。 怪我もひどく、動くこともできないロンの所に、ひとりの少年(バイ・ルンイン)が近づいてくる。 少年は、水を持ってきてくれる。 その後は薬と包帯を、そして野菜まで持ってきてくれる。
自分で手当てをして少し動けるようになったロンは、廃屋から鍋と、塩などの調味料を探し、路上で煮物を作り食事が出来るようになる。 少年はジュンといい、母親とこの廃墟に住んでいるのだった。 母は覚せい剤中毒で、なけなしの金で、シャブを買っている。 ジュンに買いに行かせていた。
路上で鍋を作る生活をしていたロンの前に、一人の地元の男がやってきた。 しかし一口味見をすると、その上手さに驚くのだった。 そしてすぐに友人たちに知らせ、論に料理を作ることをさせてみる。
ロンの料理の腕はプロ級で、あっという間に評判になり、地元の人たちが、食材を提供して暮れ、さらには屋台も作ってくれることになる。 寺の敷地で商売することも手配してくれ、彼は牛肉麺はすぐに大評判になっていくのだった。
更にジュンの母・リリー(イレブン・ヤオ)を薬から抜け出させ、面倒を見始めるのだった・・・

これは面白かった、ちょっと監督の久しぶりの傑作です。
監督はSABU、「天の茶助」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/13214453.html 「うさぎドロップ」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/10281917.html を観ています。
主演はチャン・チェン、出演作を見るのは初めてですが、今作はいいキャラでしたね。 ほとんど喜怒哀楽を出さない役でしたが、最後のところだけは(^^)

物語は、ナイフの達人で殺し屋のロンが、標的が日本の六本木という事で、遠征してくるというお話ですね。 台湾では、食堂に身を置いているロン、だからという事ではありませんが、刃物の裁きがナイフに限らず上手いんです。
しかし、今回は慣れない日本という事と、ターゲットをいきなり襲って、周りに大勢取り巻きがいるのを、彼らしくなくあまり考えていませんでした。 一撃必殺が身上でしたが、これが失敗すると、ナイフは接近戦なんで、きついですよね。
目隠しをされ、殺されて埋められる寸前で、一人の男がターゲットのボス格の男に襲い掛かってきます。 どうやらボスに恨みがあるようで、その間隙をついて、ロンは逃亡を図ります。
トラックに乗って着いた先はどうやら北関東のよう。 うちの取引先のローリーが見ることができ、そう感じましたが、ロケ先は桐生市というらしいですね。
そこで傷ついたロンを救ってくれた一人の少年、無言で、水、薬、包帯、食べ物を運んでくれるんですが、ここは町ごと廃墟となっている、そんな昔集落だったところ。 そこで、鍋を見つけ、廃墟に入り、水と塩で、簡単な煮物を作り、何とか傷を癒していきます。
少年は、どこからか野菜を調達してくるんですが、彼の母親は、シャブ中なんですね。 何とか彼女を拘束し、シャブ抜きをするんですが、そんな時一人の男が現れ、ロンの作った味を絶賛していくところから、物語が大きく変わっていくんですね。

これは、おかしく、温かく、このロンと、母子を応援していきたくなる作品、さらに台湾からくる女の子たちの悲しく厳しい生活、そしてそう簡単には抜けられないアングラな世界、いろんなリアルな実情の入っているお話なんですね。
しかし最後に見事に泣かせてくれる、これは秀作です。

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殺し屋ロン、ナイフの達人

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しかし失敗し殺されそうな時、彼が入ってくる

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逃亡先で出会った少年

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そして屋台で生計を立て始める

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あの男は実は・・・

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