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クレージーの無責任清水港

1966年作品、坪島孝監督、クレージーキャッツ出演。

東海道清水港。 売出し中の清水次郎長ハナ肇)も経済成長のひずみで一家の台所は火の車だった。 そんなところへ、信州は沓掛の生れの風来坊追分の三五郎(植木等)がやってきた。 しかしこの三五郎は一宿一飯の恩義で、肩のこる思いをするのはまっぴらと、次郎長一家へ草鞋を脱がず、腹をへらしたあげく、無銭飲食で牢へ入った。
三五郎はここで、スリの技術、巧みな脱獄術で、あっという間に牢名主に取って代わる。 それだけでなく自由に抜け出し、囚人たちに差し入れをしたり、牢の中での序列をなくしたり、あっという間に牢の環境を変えてしまう。 それに困るのは役人だった。
一方、次郎長一家では、大瀬の半五郎(土屋嘉男)がふとしたことから、次郎長一家の売り出しを恨む鷹岡の勘助(松本染升)の身内と喧嘩になり、大瀬の半五郎の身代りを買ってでた、人の良い石松(谷啓)が牢暮しの破目におちいる。
牢内で会った石松と半五郎はたちまち意気投合。 やがて数日がすぎ出所した石松は次郎長のもとに帰り、三五郎はまた宿無しの身となってしまう。 そんなある日、小料理屋 「ひさご」 で一人娘お 美代(高橋紀子)を相手に、石松から聞きかじっていた、大瀬の半五郎の武勇伝をわがことのようにぶち、悦にいっていた。
ところが、これをまわりで聞いていたのが用心棒の大河原玄蕃(藤木悠)を雇って次郎長一家へ殴りこみをかける途中の勘助身内の子分たちだった。 引っこみがつかなくなった三五郎は、奇抜な計画で玄蕃を倒し逃げだしたものの、仕返しを恐れて石松の居候となるのだった・・・

今回の監督は坪島孝、「日本一のショック男」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14906457.html を撮っています。
今回の設定は清水次郎長の物語ですね。 無責任シリーズとしてはこれが最後ということになっています。 次郎長のお話は何度か見たことはありますが、大概主役は森の石松、しかし今作では追分の三五郎が主演ですね。 架空の人物で、浪曲で出てくるキャラということ位しかわかりませんが、その分自由度の高い設定になっている感じですね。
この作品では、三五郎が牢屋に入ってからの活躍が面白いですね。 あっという間に牢名主になるんですが、抜群のばくちの強さと、牢抜けのテクニック、しかし彼は偉ぶるんではなく、みんな平等を言う方針を打ち出し、あっという間に人望を集めてしまうんですね。
まあ現代劇では “~等” なんで名前通りですが、名前が変わってもそんな彼のキャラは生きていますね。 しかしそんな楽しい牢屋の生活も、こんなおきて破りの囚人は困るということで、逆に牢屋を追い出されてしまいます。
これはしっかりとクレージー作品、次郎長の物語にあわせた痛快なお話でした。

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ふらっとやってきた追分の三五郎

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牢屋に入った三五郎

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あっという間に牢名主

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