第二次世界大戦が本格化する1940年、フランス北端の海の町ダンケルク。 フランス軍はイギリス軍とともにドイツ軍に圧倒され、英仏連合軍40万の兵士は、ドーバー海峡を望むこの地に追い詰められる。 背後は海。 陸海空からの敵襲。 そんな逃げ場のない状況下だった。
陸では
イギリスの若い兵士・トミー(フィン・ホワイトヘッド)は他の数人の兵士とともに、ドイツ軍の銃撃に耐えながら、命がけでダンケルクのビーチにたどり着く。 そんな折に、トミーは、ビーチで落命した兵士を砂浜に埋葬しようとしていたギブソン(アナイリン・バーナード)と出会う。
彼らは、けが人を船に乗せるふりをしながら、一緒に船に乗り込もうとするが、あえなく偽装工作がバレて、船から降ろされてしまう。 ドイツ軍の銃撃は止まず、海を渡って逃げ延びることもできず、最大のピンチを迎えてしまうのだったが、それでも二人は防波堤の柱に隠れながら、諦めずに次の便を待とうとするのだった。
海では
イギリス海軍の命令が下り、ついには民間の船やボートにまで救助の要請が出ることになる。 その要請を聞いて、ドーソン(マーク・ライランス)は、息子のピーター(トム・グリン=カーニー)と共に船を出すことを決める。 しかしその手伝いをしていたジョージ(バリー・コーガン)も合流して、ダンケルクへと救助に向かうことになる。 危険な航海となると二人に言われるが、決して邪魔にはならないと強い意思でジョージが言うのだった。
道中、海に墜落した飛行機を見つけたドーソンたちは、中にいたパイロット(キリアン・マーフィー)を救助する。 しかしそのパイロットは打ちひしがれており、他人をハジメは寄せ付けなかった。 温かい飲みもを辛うじて受け取るくらいで、ドーソンはそっとしておけと二人に言う。
空では
リーダー機を失ったスピットファイアーに搭乗するファリアー(トム・ハーディ)は、リーダーに変わって指揮を取り始める。結局もう1機コリンズ(ジャック・ロウデン)が操縦する機もも撃ち落とされてしまい、一人でドイツ軍と対峙しなければならない事態へと追い込まれてしまうのだった…
“ダンケルクの闘い” というのは名前こそ知っていましたが、映像作品としては初めて見ました。 多くの関連映像作品が作られているようですが、英仏軍がほぼ完ぺきに負けた撤退作戦、だからお話自体は真っ暗な展開になりますね。
監督はクリストファー・ノーラン、近作は 「インター・ステラー」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/12423826.html でしたね。 SF作品から一転、史実である戦争作品にチャレンジですね。
3つのシチュエーションとなっており、陸編ではフィン・ホワイトヘッドが主役格でしたね。 まだ若い彼ですが、インパクトのある役をもらいました。 海編ではやはりマーク・ライランスが重きを持った役でした。 最近の作品で彼は引く手あまたですが、やはり 「ブリッジ・オブ・スパイ」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/13820743.html のスパイ役がリアルでした。
そして空編はトム・ハーディでしょうね。 「マッドマックス 怒りのデス・ロード」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/13179139.html 「レジェンド 狂気の美学」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14249828.html で主演、最も売れている俳優の一人でしょうね。 男臭さが滲みでる俳優さんですね。
物語は、この3編を時間的に流れを変えながら進行していくんですね。 一番長い時間を陸、次が海、そして空が一番短時間を現していきます。 そして終着点は史上空前の撤退劇を捕えています。
このままでは30万以上と言われた兵を撤退させるどころか、3万人がせいぜいと言われた脱出兵。 しかしケネス・ブラナー演じるボルトン海軍中佐が、大英断をして、あらゆる船の出動を依頼、民間戦までが救出に駆けつけるシーンは、ちょっとどす黒い霧が晴れたような歓声が沸き起こるところが圧巻です。
でも無事イギリスに 帰国した兵士たちは、国内から負けたことでバッシングを恐れるんですね。 しかしイギリス市民は彼らをよく無事に帰ってきたと歓迎をする。 これはなかなかの国民感情でしたね。
これはなかなかの戦争巨編、ドラマ性をしっかり盛り込んだノーランならではの手法も面白かった。