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ロシアン・スナイパー

2015年作品、セルゲイ・モクリツキー監督、ユリア・ペレシド主演。

1942年。 アメリカ国際学生会議で、ロシアの女性スナイパー、リュドミラ・パヴリチェンコ少尉(ユリア・ペレシド)が注目された。 “死の女” と呼ばれるリュダは、ルーズベルト大統領夫人・エレノア(ジョーン・ブラッカム)に気に入られて、ホワイトハウス滞在を許可される。
1937年。 英語教師の母、軍人の父の元で男勝りな性格に育ったリュダは、友人との賭けで素晴らしい射撃の腕を見せた。 それが軍の目に留まり、主席を取るほど優秀な成績だったリュダは半年間の射撃訓練を行うことになる。
友人ソーニャ(Natella Abeleva-Taganova)から、医者をしている兄ボリスを紹介されたリュダだったが、ソーニャの家の食事に招かれた日に戦争が始まった。
戦争反対派のボリスは引き止めたが、リュダは戦争に向かう。 
オデッサでの活躍を評価されたリュダの元に、友人マーシャ(ポリーナ・パクホモバ)と、彼女の恋人でパイロットのグリシャが配属されてくる。
しかしリュダは、何人殺せたかをゲームのように楽しむようになっていた。 そんな彼女を咎め、導こうとする上官マカール(オレグ・ヴァシリコフ)に恋をするリュダ。
爆撃によって命を落としかけたリュダは、マカールによって助け出され、軍医として赴任していたボリスから治療を受ける。 ボリスはリュダへの恋心を捨ててはおらず、狙撃を楽しむだけだったリュダは、ボリスとマカールの2人から想いを寄せられる状況になっていくのだった…

監督はセルゲイ・モクリツキー、作品を見るのは初めてですね。 ロシア作品自体アクション以外はなかなか見る機会はないですね。 主演はユリア・ペレシルド、彼女も初めて見る女優さんですね。
主人公のリュドミラは、女性でありながら、ロシアにおいては天才的な女性スナイパーで、有名だったようですね。 冒頭のシーンは意外にもアメリカに招かられた彼女のシーンなんですね。 ソ連の兵士がアメリカの大統領夫人と会う?、 実はこの期間がほんのわずかアメリカとソ連が同盟国というか、同じ連合国側だった時代なんですね。
ドイツや日本、イタリアという枢軸国との戦いの過程で、全く思想の違う資本主義国家と、生まれたばかりの共産国家が、“敵の敵は味方” という風にくっついた時代でした。 もちろん第2次大戦後、冷戦に突入していくのは歴史の必然だったんでしょうが。
彼女はある意味広告塔として使われた部分もあったようですが、この作品を見ていると、物凄い腕利きのスナイパーだったことは事実のようですね。 圧倒的な正確さで、敵の狙撃種を殺していく。
しかしスナイパーはある程度、敵を狙撃できる距離まではいかねばならない。 何時しか彼女は “死んではならない存在” となり前線から外されていきます。 彼女が死んでしまうと士気が下がるからという部分もあったくらいの存在になったからですね。
そしてやはり心的なストレスも大きかったようです。 いまでいうPTSDでしょう。 エレノアとの普通に過ごす時間でも、大きな音にとっさに出る恐怖の表情、戦場での恐ろしい体験における心的な過剰反応ですね。
戦地で命を落とすことが多かったスナイパー、しかし彼女は戦後まで生き延び、58歳で病死したそうです。 珍しい女性スナイパーの伝記でした。

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優秀なスナイパーだったリュドミラ

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始めはただの女性兵士

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しかし戦場で実績を積む

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彼女は過酷な戦地で生き残っていき

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そして恋をする

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