2001年作品、内田けんじ監督、中桐孝、熊沢麻衣子、横田大吾出演。
山本健介(中桐孝)は、心優しくて少し気が弱い28歳の平凡なサラリーマン。 しかし、今まで付き合っていた水野幸子(高橋友子)に気なり別れを切り出されて、彼女は消えてしまった。 それ以来、半年間抜け殻のような毎日を過ごしていた健介だった。
そんなある金曜日の夜、健介が親友の健二(内田けんじ)の部屋に遊びに行くと、そこには健二の新しい恋人・あゆみ(熊沢麻衣子)がいた。 美人で料理上手なあゆみにメロメロの健二は、彼女のためにフリーター生活に別れを告げ、就職するつもりだという。 そんな2人を祝福しつつも、寂しさが募り、ますます落ち込んでいく健介。
健二はそんな健介に、知り合いからもらったという謎の薬を手渡す。 半ばヤケクソで薬を飲んだ健介、しかし何の変化も見られない。 その帰り道、帰る方向が一緒の歩みと一緒に歩き、健介はその時強烈な眩暈に襲われ、気を失ってしまう。 そして 気がつくと、健介はこれまでに一度も来た事が無い場所にいたのだった。
ここはどこかと彷徨ううちに、津田沼駅が見え、胸ポケットには1万円札が数枚入っていた。 この金は一体? 家に帰ると、家の中が荒らされていて、昔の写真が散らばり謎の住所、卒業アルバムまで開かれていた。
わけがわからず、健二のところに向かう健介。 心当たりがあるのは、気を失う前に飲んだあの薬、そして今日が日曜日だと知らされる。 健介は丸1日分の記憶を完全になくしていていた。
そして健介は健二の案内で、薬を売ったおっさん(ミスターカツマ)のところに向かうが、おっさんはこの薬を飲むと、気が大きくなり積極的になること、しかしアルコールが1滴でも入ると効力を失いことを教えてくれる。 しかし記憶が無くなると聞いたことがないとも言うのだった。
このまる1日何があったのか? 健介は健二について来てもらい、その住所を尋ねることにした。 そこであった謎の男(横田大悟)、いったい彼はなんなのか?・・・
内田けんじ監督のデビュー作というか自主制作で初めて世に出た作品ですね。 やっと観れましたが、ほとんど手作りで、役者さんも同級生たちに頼んで撮った作品という事で、みな基本素人という事みたいですね。 でも監督らしさが初めからしっかり出ている作品でした。
素人のわりには演技をがんばっているし、足りないところは上手く編集をしています。 そしてこの脚本は、おそらくこの、中桐孝氏を念頭に置いたような感じらしく、特典映像でDVD化になった時の本人へのインタビューでもいっていました。 違うのは山本健介は酒が全く飲めない設定になっている所だけ(^^)
そしてこの作品は、撮るのに社会人の人たちを使っているので土日しか撮影ができなかったこと。 当時は今みたいな機材が無く、編集に1年以上かかったこと、2年くらいかかってしまったと言っていました。
物語は健介の失われた1日をたどるドラマになっています。 胡散臭いおっさんから買った薬のせいかどうか、まったく記憶が飛んでしまったんですが、部屋にあった手がかりをたどって行くんですね。 しかし初めはどこに行ってもまったく思い出せない。 しかしところどころ、ここに来た形跡はあるようです。
そして現れる謎の男、横田大悟演じる中澤の存在が、この作品のカギを握り、そして一連の事件を引き起こしたのはある人物が元凶だったというお話でした。
早く内田監督の新作が見たいですね。 4年周期で新作が作られていましたが、そのサイクルが乱れ、いまだに長編作品の発表がありません。
追い詰めるわけでないので、気長に新作を待ちたいと思いますが。
健介は記憶をなくし
断片的な部分を探索を始める
謎の男?