璃子（石井杏奈）は東京の大学に通うため、広島から上京して一人暮らしをすることになった。 引っ越し便の男・佐藤（平子祐希）は最後の荷物を運ぼうとした時このアパートの大家さんの田所（柳川慶子）に捕まり長い話を聞かされる。 広島からの女の子ね、彼女は待っていた感じの話をしてくるのだった。
服についていた桜の花を取ってくれた璃子、なんとなく気になった佐藤は璃子に頑張ってねと声をかける。 ちょっと不思議そうに返事をする璃子だった。 どうしてこのアパートに彼女は決めたのか？ それは２月の２８日のことだった。
部屋を探すためシングルファーザーの肇（柳家喬太郎）と二人で、広島から夜行バスで着いたその日、東京に来るのは二度目だった。 前回ではなかなか決まらず今回は不動産屋を変えることにした。
しかし待ち合わせには時間があるので、東京にいる妻の妹・夏川真希子（朴路美）と一緒にランチを取ることにした。 なかなか新宿の町がわからずようやく会えた３人は、昔話に花が咲く。
そして、璃子がトイレに入った時、真希子は肇に母が死んだ時の話をしたのかと聞く。 肇はなかなか話せていないことを言うと、これからはあまり一緒にいる時間も無くなるんで機会があったら話した方がいいと言われる。
向かった不動産屋の酒巻（角田晃広）が内見に案内をしてくれる。 初めに行ったところは前回の内見で味わった裏がお墓のことを思い出し、厳しくチェックしていたが、そこは隣がゲイの男、もう片方は露骨にナンパをしてきた。 肇はあっさり却下、次のマンションに行った。
そこはセキュリティーも良く女性専用のマンション、予算も想定内だったが、一瞬早く借り手が見つかってしまった。
そこで行った３軒めがちょっと古いが大学に近いこのアパートだった…
これは大変気持ちのいい作品でした。 監督は吉野竜平、もう１作、作品があるようですが、そちらも興味深いそうな作品ですね。
主演に父親役で柳家喬太郎、「落語娘」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/2195413.html では落語指導とカメオ出演。 もう一本は未見です。 ドラマ、舞台でも多くの出演がありますね。
そして娘役には石井杏奈、彼女はE-girlsのパフォーマーであり、女優活動も盛んです。 「世界から猫が消えたなら」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14145412.html に出演、 「ガールズ・ステップ」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/13467324.html では主演を、「ソロモンの偽証」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/12801021.html http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/12928297.html では重要な役をしていましたね。しかし見たい作品は 「LIVE! LOVE! SING! 生きて愛して歌うこと 」 というＮＨＫで放送し劇場公開もされた作品なんですが（＾＾）
物語は、父と娘のお話。 高校を卒業して、上京、その新しい下宿先を探す１日の回想ですね。 引っ越してきたシーンから始まり、新居で片づけをしながら回想するところが途中途中で差し込まれますが、２月２８日に高速バスで来て高速バスで帰るという強行軍での二人、しかしその１日は、二人にとって決して忘れられない日になっていくんですね。
もし自分に娘がいたら、今までの苦労がふっ飛ぶようなそんな貴重な１日を体験できるのかな？ そんななにげなくも、心温まる作品に仕上がっています。
この作品主演の石井杏奈は、今まで見た中で最高の作品ですね。 服装もあえてちょっと田舎の子っぽい感じで、大人しいが、親思いの優等生。 じゃあ普通はそんな父親思いの子がどうして父を広島に残して東京に出て来たのか？
ここがこの作品のポイント、強がりながら張り裂けそうな父としての心情が上手く描かれています。 この作品もクラウドファウンディングされたようですね。 エンドロールにされた方の名前が載っていました。
これは大変いい作品、超お勧めですが、そろそろ終わってしまうかな？
