anttiorbの映画、映像の世界

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アトリエの春、昼下がりの裸婦

2014年作品、チョ・グニョン監督、パク・ヨンウ主演。

1969年、ベトナム戦争が韓国にも暗い影を落としていた時代。 全身の麻痺が進む難病を抱えた天才的な彫刻家ジュング(パク・ヨンウ)は、妻ジョンスク(キム・ソヒョン)の勧めで湖のある美しい村で療養している。 しかし言うことに効かない体になってしまったと感じているジュングは創作を断念し、生きる希望も失っていた。
そんな夫を見かねたジョンスクは、モデルを探して夫の創作意欲を回復させようと思い、村で見かけた若いミンギョン(イ・ユヨン)を連れてくる。 ミンギョンはふたりの子持ちで、生活は苦しかった。 そして夫のクンス(チュ・ヨンホ)は、戦争からに帰還兵で、足を負傷し、まともに働くことができず、荒んでいた。
実は彼は本当の夫ではなかった。 戦死した本当の夫から、家族を頼むと言われ言付けをして、そのまま居座った男だった。 もちろん子供たちは懐かないのだが、なぜかミンギョンは彼と一緒にいるのだった。
一体何をするのか? 不安いっぱいで湖畔のアトリエにミンギョンだったが、ジュングは一目見てミンギョンに何かを感じ、彼の体に精気が戻っていった。 ミンギョンに裸になることを言い、言われた通りのポーズを取らせ始める。 いきなりのことに驚いたミンギョンだったが、報酬は思いがけないものだった。
しかしクンスは彼女が稼いだ金を持って、博打に走り、彼女に暴力をするのだった。
一方ミンギョンをモデルに創作を再開したジュングは徐々に快復し、ミンギョンもまた生活の辛さから解放されて明るくなり、ふたりは親密になっていくが…

監督はチョ・グニョン、私は初鑑賞の監督です。 主演の彫刻家にはパク・ヨンウ、存在感のある俳優で 「ファイ 悪魔に育てられた少年」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/13610331.html にもちょっと出演しています。
そしてミンギョン役にはイ・ユヨン、「あいつだ」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14126008.html では霊能力のある女性役で登場していますね。
物語は、夫のためにもう一回創作活動をさせようと連れてきたミンギョンを、陰で見ているジョンスクの視点で進んでいきます。 しかし悲しいかな、夫はだんだんとミンギョンに思い入れが強くなっていきますが、ジュングはそれが唯一の生きるすべなんですよね。 そんな妻の悲しい立場と共に物語は進行していきますが、暴力的なミンギョンの自称夫の存在がだんだん厄介になってくるんですね。
なんとかその男のことを耳に入れたくなかったジュンソクですが、とうとうジュングが知ってしまうんですね。
非常に悲劇的なラストですが、なんか美しい感じさえする韓国のベトナム戦争参戦の傷跡が描かれている作品でした。

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病気から生きるすべを失ったジュング

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そんな夫を何とか立ち直らせたいジョンスク

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ミンギョンがモデルのバイトに来る

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生気を取り戻していくジジュング

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生活が潤っていくミンギョンだが・・・

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