2016年作品、オリバー・ストーン監督、ジョゼフ・ゴードン=レヴィット主演。
2013年の香港の高級ホテル。 ドキュメンタリー作家のローラ・ポイトラス(メリッサ・レオ)、ガーディアン紙の記者グレン・グリーンウォルド(ザカリー・クイント)は緊張な面持ちである男と待ち合わせをしていた。 飄々とした表情で現れた男は、手にルービックキューブを持っていた。
男の名はエドワード・スノーデン(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)、彼は自分の宿泊しているホテルに二人を案内し、まず行ったことはスマホを預かりレンジの中に入れた。 これで外部からシャットアウトされ、探知されないようにしたのだった。 極端に用心深い彼がこれから話すこととは?
エドワード・スノーデンはアメリカ国家安全保障局(NSA)職員である。 彼の生い立ちは、1983年6月21日、アメリカ合衆国ノースカロライナ州エリザベスシティで生まれ、国家公務員として公職に就く両親の元に育った彼は、2004年、9.11の同時多発テロに危機感を抱き、国家の役に立ちたいと思い、陸軍に志願入隊した。
しかし大怪我に会い、やむなく除隊をすることになってしまう。
彼は、コンピュータ、インターネットの知識が豊富なオタクであり、天才プログラマー。日本のカルチャーにも精通している。 『攻殻機動隊』 がお気に入りだった。 そしてそのスキルを生かすため、彼が受けた先がCIAだった。
試験では1問以外満点の成績だったが、面接官のコービン・オブライアン( リス・エヴァンス)の目に留まる。 今は有事の際という事で、平常時には不適格だった彼は、こんな時だからこそ、ちょっと異端な彼が必要とコービンは採用を決める。
“ザ・ヒル” と呼ばれるCIA訓練センターでサイバー・セキュリティのノウハウを学んだスノーデン。 そこで持ち前のコンピュータの知識を発揮したスノーデンは、厳格な指導教官コービン・オブライアンに一目置かれる存在となり、オタク風のエンジニアで教官でもあるハンク・フォレスター(ニコラス・ケイジ)とも親しくなった。
またプライベートでは、交流サイトで知り合ったリンゼイ・ミルズ(シャイリーン・ウッドリー)と、ワシントンD.C.のカフェで初めて対面。 愛国者のスノーデンと快活で権力に批判的なリンゼイは、性格も思想もまったく違っていたが不思議とウマが合い、ふたりは交際をスタートさせた。
またプライベートでは、交流サイトで知り合ったリンゼイ・ミルズ(シャイリーン・ウッドリー)と、ワシントンD.C.のカフェで初めて対面。 愛国者のスノーデンと快活で権力に批判的なリンゼイは、性格も思想もまったく違っていたが不思議とウマが合い、ふたりは交際をスタートさせた。
“ザ・ヒル” でトップクラスの成績を叩き出したスノーデンは、ジュネーヴにあるアメリカの国連代表部に派遣された。 現地で彼が目の当たりにしたのは、一般市民のメール、チャット、SNSからあらゆる情報を収集するNSAの極秘検索システムの存在と、それを利用してテロ活動とは無関係の人物をスパイとして抱き込むCIAの汚い手口だった。
まだ記憶に新しい、エドワード・ジョセフ・スノーデンの暴露事件、これはその映画化です。
監督はオリバー・ストーン、意外に私は監督作品をあまり見ていないことに気が付きました。 「プラトーン」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/6202947.html だけなんですね。 まあちょっと考えると、やはり見るのには重いテーマの作品が多く、何か無意識のうちに避けていた感じがします。 今作も、ここ10年ちょっとのアメリカ、また近代情報戦に触れている、デリケートな作品でもありました。
主演のエドワード・ジョセフ・スノーデン役にはジョセフ・ゴードン=レヴィット、実はこの作品、最後に本人が登場し入れ替わる手法を取り入れているんですね。 これはこの前見た 「歌声にのった少年」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14456762.html でも取り入れられていたやり方でしたね。
でもあれは実際の映像、今作は多少演じている形になっていますが、本人シーンなんで告白といったところでしょうか。
他のキャストはCIAの直属の教官役にリス・エヴァンス、「アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14270856.html にちょっと出ていました。 そしてチョイ役扱いで、ニコラス・ケイジ。 まあ顔見世程度の役ですが、印象強い脇役でした。
ヒロイン役にシャイリーン・ウッドリーが抜擢されていましたね。 彼女は 「ダイバージェント」シリーズ http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/11880662.html http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/13561095.html で主演をしていますし、「きっと、星のせいじゃない。」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/12748290.html でも主演の少女役、儚い役でしたね。 結構、真ん中の役の多い女優さんで扱いが重いですね。
これはほとんどエドの自伝的映画、しかし内容は結構エグイですね。 先日観た「アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14643863.html でもありましたが、この作品でも、ピンポイント攻撃の映像が流れていましたね。 イギリス人とは違って、けっこう軽いノリでどんどん爆破していく、そこらあたりがアメリカなんでしょうか?
物語はテロに影響を受け、アメリカのために立ち上がったスノーデンが、どんどん国が行っているいろんな事象に疑問を感じていく話ですね。 国家を守るためなら何をしてもいいのか?
いま日本でも、テロ対策の一環で共謀罪を法制化しようとしていますが、アメリカはそんな生ぬるいやり方のさらに一歩を言っている、そう言いたいようなことでしたね。しかし国民を、人々を監視し、統制し、弾圧をいつでもできるやり方は、基本的考えは一緒。
しかしテロ勢力は、そういう隙間を狙ってくるのもまたあり得る話なんで、どこで線引きをしなければならないのかな? 強制的な法律や、やり方、システムを作っても、それを逆手にとって利用しようとする人間、力が蔓延るのが悲しいかな人間の性なんですね。
スノーデンは命の危険を背負って告発しましたし、彼はロシアに保護を求めモスクワで暮らしているそうです。 私はオバマ大統領の時代でそれで済んだのでは? という見方をしていますが。
これもある意味問題作でした。
スノーデン、彼の生い立ちは
CIAの職務のとき、あるシステムに遭遇
リンゼイとも出会う
しかしコービンの命令には逆らえない
苦しい胸のうちを彼女に話す
そして脱出
告発へ