anttiorbの映画、映像の世界

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著名な映画監督のグイド(マルチェロ・マストロヤンニ)はベッドの中で悪夢にうなされていた。 診察をする医者は疲労の蓄積と判断し湯治を勧める。
しかし湯治場に来ても、彼は取り巻き連中から逃れられず、新作のシナリオが頭から離れずにいた。
そしてそこへやってきたのが愛人のカルラ(サンドラ・ミーロ)だったが、彼女はまるでリゾート気分だった。 妻のルイザ(アヌーク・エーメ)との関係は冷めてはいたが、時にはその存在が必要でもあり、もどかしい間柄に区切りを付けられずにいた。
グイドの心を占領しているのは若い女優のクラウディア(クラウディア・カルディナーレ)の存在であったが、あらゆるイメージでグイドの前に登場する彼女も、いつしか空しく 姿を消して しまう。
彼の周辺人物が、ありとあらゆる相談や懇願を持ちかけてきてはグイドに取りすがってくるが、それも現実なのか、虚構の世界なのかが次第に曖昧になって行く。 やがて彼は想像の中で過去の記憶へ辿り着き、次々と古い思い出の中を彷徨い始める。
ヒッピー女とのダンスの後、海岸で神父に追いかけられ教会で懲罰を受け嘆く母親。 マリア像の前で懺悔をした後、再び海岸のヒッピー女のところへ向かう白日夢。 そして再び現実に戻り大きな共同浴場枢機卿から受ける説諭。
そして保養を終えたグイドは元の生活に戻り、慌ただしい取り巻きたちが再び波のように押し寄せ、撮影現場でも何もかもがうまくはかどらず彼は途方に暮れる。
やがて妄想の中で自分に携わった女たちが全て登場し、各々が好き勝手 放題に彼を罵倒し始め修羅場と化してゆく。
そして再び撮影現場に戻ったとき、グイドの眼前にサーカスの楽隊が現れ、大きな天蓋の中から自分に関わった全ての人々が現れ、皆が手を取り合い楽しげなカーニバルが始まる。 グイドはメガホンを取り、カーニバルの指揮を始めるのだった・・・

フェリーニ監督の代表作というと、この作品を上げる方が多く、私も初鑑賞して見ました。 他作品もいくつか見たいとは思っていましたが、私の監督の鑑賞歴は先日観たオムニバス映画の「世にも怪奇な物語」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14397887.html の最後の話ですね。
物語はある映画監督の苦悩というか、スランプのお話ですね。
有名な監督グイドは、映画製作に疲れ、悪夢に魘されるほどになっていたんですね。 愛人と一緒でも、妻を呼んでも、彼が落ち着けることは無く、それ以上に自分を売り込んでくる者たちがどんどん出てきて、却って辟易してしまいます。
そしてとうとう現実と、虚構が入り混じってくる精神状態になってしまうというお話ですね。
ともするとこの作品自体が彼の夢の世界をはじめから最後まで描いているのではないかと思えるほどでした。 もしかするとそれが一番あっているかもと見終ってから思えましたが。
もうちょっと他の作品を見て見ないと、フェリーニ監督は理解できないんでしょう。

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スランプになったグイド

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しかしどこに行っても彼が休まる場所は無い

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彼が気になっている若い女優クラウディア

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そして謎の楽団が現れ

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全員が踊りだす

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