“葬式”
お通夜の席上、親族が何やら喧々諤々揉めている。 それを横目で見ているのが二人の男(矢田歩、坂田聡)、そこに近づいてきたのが葬儀屋(佐藤二朗)だった。 なかなか故人の家の仕事がわからないがどうやらアッチ関係らしいことが想像がつくのだったが、どうしても明日までに決めなくてはならないことがあるらしい。
“見合い”
母から見合いの写真が送られてきた紗羅(木南晴夏)、いま付き合っている男は定職にもつかずひも状態のシンタ(山崎樹範)。 風呂に入っている間に見合い写真、経歴を見るがなんと医者で年収は6500万円。 37歳はぎりぎりOKと自分に言い聞かせるが、今のシンタをどうしようか思い悩む。
そして条件は専業主婦になることだった。 必死に写真と書類を隠そうとする紗羅だったが、結局見つかってしまうのだった…
“成人式”
原付のバイクを超派手にデコレーションして、成人式に向かおうとしている日々沢睦月(柾木玲弥)。 しかし母(木村多江)はそんな恰好を許さず、草履を取り上げ行かせないようにしてスーツを着させよう と必死だった。
のんきに朝刊を読んでいる父(中井貴一)はそんなやり取りを眺めながら、睦月にいろいろ話しかけるのだった。 始めは早く友達の待ち合わせ場所に行こうとする睦月だったが、父の意外な学生生活の話を聞く。 そして父は睦月の携帯の待ち受けを見て、そこにあった彼女の写真を見つけるのだった…
“出産”
駅に派手な内装の車で迎えに行ったロックの服装をした男(浅利陽介)を待っていたのは、折り合いが悪い義父(柳葉敏郎)だった。 急に産気づき病院に入った妻(清野菜名)のところへ連れて行こうとするのだが、二人っきりの車の中で、会話はなかなかはずまない。
二人はできちゃった婚で、娘は父と折り合いが悪く、音楽の、ロックの道に進み、ギター だったこの男とできてしまったのだった。 そんな空間がずっと続く中、彼女がボーカルの曲のCDを聞かされる義父だったが…
“結婚”
華やかな披露宴会場に来たのはシンタだった。 軽いノリで新郎の友人として現れた彼だったが、なんとそこにいたのは別れた元カノ・紗羅だった。 カメラマンとしての仕事でスナップ写真を取りに来たのだったが、定職についていないシンタがどうしてここにいるのか訝しがる紗羅だった。
彼は俳優になるというありえない夢を決めたとうそぶき、今日来たのは代理出席のバイトで来たのだった。 そして紗羅の見合いは失敗したのでいまだにカメラの仕事をしていると言う。
著名人が結構来ている披露宴で、自分を売り込もうとするシンタの前に現れたのがモデルで女社長の超美人(入山法子)だった。 彼女と話したい、そしてなんとかお近づきになりたいシンタの奮闘が始まるが、そこに強力なライバル? が現れる。
何となく心配をしてしまう紗羅だったが…
陣内孝則監督の久しぶりの新作、なかなかの豪華なキャストが集まりました。 前作「スマイル 聖夜の奇跡」 から9年ぶりという事ですね。 俳優としては悪役をやらせるとぴったりの彼は 「超高速!参勤交代 」2部作、http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/11787723.html http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14417944.html では、松平信祝役が何とも憎たらしかった(^^)
監督としてはどうなのかという事ですが、ハートフルな作品を撮りたいんでしょうね。俳優さんからの監督業への転向というわけではないんでしょうが、力が入った取り方をしていると思いましたし、参加してきたメンバーはしっかりしている。 キャスティングは良いですね。
5話ある中で、私の好みは、実は1作目の 「葬式」 でした。 しかしこれはなかなか掴みが長いんですね。 実はこれを見ていた前に座った年配の男性は思いっきり熟睡して、途中でご帰宅されてしまいました(^^)
でも私はこの話が一番面白かったし、好きでしたね。 あとは前後編となっている「見合い」と「結婚」、オチが弱いんですが、木南晴夏の良さが出ていました。
ただちょっと諄い演出があるので、もうちょっと削ぎをとした感じで、時間を短縮するか、話しを増やした方がいいんでは? と思いましたが。
葬式
見合い
成人式
出産
結婚