anttiorbの映画、映像の世界

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めぐりあう日

2015年作品、ウニー・ルコント監督、セリーヌ・サレット主演。

パリで夫と8歳になる息子と一緒に住むエリザ(セリーヌ・サレット)は身体の機能回復をサポートする理学療法士をしている。 産みの親を知らずに育ったエリザは養父母の了解のもと、実母の調査を専門機関に依頼しているが、匿名で出産した女性を守る法律に阻まれ、実母にたどりつくことができない。
そしてとうとう彼女の思いは募り、6か月後ついにエリザは自ら調査をするために、自分の出生地である港街ダンケルクに、息子ノエ(エリエス・アギス)と共に引っ越して来る。        
一方、ノエが転校した学校で給食の世話や清掃の仕事に従事する中年女性アネット(アンヌ・ブノワ)は、母親と同じアパートの別の階で一人暮らしをしている。  犬を3匹飼っているが、母はなにかと独身のアネットを気遣い、彼女がいない時に犬の世話をしてあげたりしているのだった。
転校生のノエは初めての給食時間、なかなか馴染めないでいた。 豚肉を食べれない、好き嫌いが激しい彼は、クラスメートにちょっかいを掛けられる。
ソフィアン(アミン・マフルーグ)というクラスでもちょっと問題のある少年たちグループは、目の色が違うノエにはじめから興味があるようで、何かにつけていたずらを仕掛けるのだった。 それを、アネットは何か異様に気になるのだった。
ノエは、こんな母との暮らしが嫌で仕方がない。 父・アレックス( ルイ=ド・ドゥ・ランクザン)との暮らしがしたいのだが、母にそれをしっかり伝えられない。エリザの気持ちの中には、アレックスとの間が冷えてしまった思いがあり、それと自分を生んだ母を探そうという気になったきっかけなのかもしれなか った。
ある日、アネットは運動不足の犬の散歩をしている最中に倒れ、背中を痛めてしまう。 次の日に起きれなくなった彼女は、人づてに聞いたエリザのところに治療に来るのだった。 そこでノエの母親がエリザであることを知るようになる。
そしてエリザにノエは養子なのかとつい聞いてしまうと、エリザは養子は自分の方だと言う。 聞いてはいけない事を聞いてしまったと思うアネットだったが、それ以上に心にある衝撃を感じるのだった…

監督はウニー・ルコント、監督2作目という事ですが、なかなか心理描写の優れた監督ですね。 デビュー作も気になる監督です。 過去をさかのぼることをしない描写だと、今の映像から過去を想像しないといけませんし、また言葉で補わない作りだと心理面もある程度汲みながら見なくてはなりませんが、この作品はまさにそうでしたね。
主演はセリーヌ・サレット、「君と歩く世界」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/9065316.html  にルイーズという役で出演しています。 主演は初めてですね。
物語は、ある事情で自分を手放した母親を探すエリザという女性の物語です。 しかし彼女は結果的に子供のいない裕福な夫婦の養子になり、学校にも通わせてもらい、結婚をして不自由のない生活を、幸せを掴んでいたように見えました。
しかし彼女はどうしても生みの母を探す気持ちが高まるんですね。 それは夫と何か違和感を感じ始めたからなのか、それとも10歳の息子に、ある気になる点がわかったからなのか。そ して彼女は妊娠してもいるんですね。
そんな精神的に不安定な母に不満を抱き、反発をしながらも、息子のノエはだんだん今の環境に馴染んではいくんですが。
どうして生みの母は自分を捨てたのか? 誰しも生き別れだったらその理由を知りたくなるのが情ってやつでしょう。 それを知ったからって理解ができるのかどうかはまた別のお話にもなりますが。
ラストシーンを見て、はたしてエリザは納得できたのでしょうか? そして彼女の生活はどこに向かうんでしょうか? 多少後ろ髪を引かれる作品でした。

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ダンケルクに越してきた二人

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家族と週に一度食事をするアネット

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転向した学校で浮き気味のノエ

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腰を痛めエリザのところに来たアネット

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エリザはここに生みの親を探しに来たのだった

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