妻の双葉(山本冨士子)はそんな夫をあきらめて淋しい毎日をレストラン経営にまぎらわしていた。 責任のない関係のつもりだったが、女の方では奇妙に風を忘れられない。 行きづまりを感じている女優石ノ下市子(岸恵子)もそんな一人だった。
女たちは風のことが気になるあまり二言目には 「風がポックリ死ねばよい」 「風を誰か殺してくれないかしら」 と言うのだった。
女たちのそんな話を耳にした風本人は、十人の女が自分を謀殺しようとしていると思 い込む。 根は気の弱い男なのだ。
どうして自分が殺されようとしているのか彼にはわけがわからない。
思い悩んだ彼の相談相手は、妻の双葉だった。
或る雨の夜、双葉のレストランに集まった十人の女たち。 彼女らの目の前で双葉の拳銃が火を吹いた。 ばったり倒れた風松吉。 驚く女たち。
果して真実の殺人か狂言か?・・・
当時としてはどうなんでしょう? 珍しい女性の群像劇だったと思います。 そして若々しい当時の一線級の女優が勢揃い。 みんなお美しい盛りですね。
独特なタッチの監督で、この作品は1961年でしたが、晩年ほど監督らしさは少なかったというか、歳を重ねるにしたがって顕著になって行ったんだなあと思いました。
私は晩年の作品が結構好きで、「どら平太」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/2775676.html 「かあちゃん」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/11658291.html などは何回か見ました。
物語は10人の女性たちが抱く殺人願望、それに恐れおののく風という男の滑稽さを描いたお話ですね。 10人で共謀すれば、完全犯罪ができるのか? なんですが、10人いれば女性たちも十人十色。
流される人間もいれば、中には風のことを考えて、自分と一緒になってほしいと真剣に懇願する女性も出てきます。
風と双葉の夫婦
愛人の一人、女優の市子
10人はあるたくらみを
問い詰められる風
そしてとうとう