1976年、大学柔道部での腕を買われ北海道警察に勧誘された諸星要一(綾野剛)は、26歳で北海道警察本部の刑事となる。 しかし初めまったく警察官になるとは思っていなかった諸星は戸惑う事ばかり、しかし柔道ではしっかりと道警を優勝に導くのだった。
そんな時、署内でも抜きんでた捜査能力を発揮する刑事・村井定夫(ピエール瀧)から誘われる。 行ったさきはすすきののキャバレー、そこで彼は諸星に、刑事が認められるには犯人を挙げて点数を稼ぐことが必要、そのためには協力者=S(スパイ)を作れ、と説く。
諸星は早速、自分の名刺をばら撒き、何かあったら自分に連絡して欲しいと、手当たり次第チンピラ風の男に打診しまくるのだった。 その中で、チンピラの一人の内通を得て暴力団組員を覚せい剤・拳銃所持で逮捕する。 その功績で本部長賞を授与されるが、令状のない違法捜査に暴力団側が激怒する。
村井から言われていった先には、幹部の黒岩勝典(中村獅童)がいた。 ビビりながら一歩も引かなかった諸星は、無鉄砲な 性分を買われ黒岩と兄弟盃を交わし、黒岩が諸星のSとなる。
諸星は31歳で札幌中央署暴力犯係(マル暴)に異動する。 ここで黒岩からある男を紹介される。 ロシア語が堪能な山辺太郎(YOUNG DAIS)だったが、彼はさらにある男を紹介される。 ロシアルートの拳銃横流しに精通するパキスタン人アクラム・ラシード(植野行雄)だった。
奇しくも警察幹部を狙った発砲事件が多発して、警察全体を上げて、拳銃の取り締まりが強化されることになった。 いままでは所持者不明の拳銃は、“首なし” と言われ、大したポイントにならなかったのだが、もうそんなことは言ってられなくなってくる。
そして黒岩、山辺、ラシードの人脈を生かし、諸星は成績を上げていく。
とうとう警察庁長官が狙撃される事件が起こり、道警本部に銃器対策課が新設され、諸星は第二係長を拝命する。 新設部署の面子のため手っ取り早く拳銃の摘発をしたいと上司に相談されると、所持者不明の銃をコイン ロッカーに入れて摘発を偽装するのだった…
なんとも恐ろしいというか、滑稽な事実の映画化ですね。 原作者は稲葉圭昭、この諸星という男のモデルとなった元警察官ですね。 いまはお勤めを終え、この著書である 「恥さらし 北海道警 悪徳刑事の告白」 を刊行、そして映画化となった次第。
監督は白石和彌、前作「凶悪」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/10300308.html は凄まじい作品でしたが、今作は多少笑えるとはいえ、ある意味恐ろしい作品かもしれませんね。
そしてある意味チームを構成していた、メンバーが中村獅童、YOUNG DAIS、デニスでしたね。 特にYOUNG DAISは、園子音作品で、「TOKYO TRIBE」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/12094650.html 「新宿スワン」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/13108719.html にも出演のヒップホップミュージシャン、いい味を持っていますね。
原作を知っている人も、事件を知っている人も、どうなるかはわかっていますし、この事件、けっこう話題になった事件だったので私も少しはこんなことがあったなあと知っていました。
警察、税関は絶対認めないでしょうが、どこかでレールが大きく狂ったお話でした。
道警に入った諸星
しかしなかなか思うように行かない
そこに村井が点数の上げ方を伝授する
そして黒岩と兄弟に
そして成績が上がっていく