anttiorbの映画、映像の世界

不定期で、旅ブログも立ち上げます!

いのちの戦場 -アルジェリア1959-

2007年作品、フローラン=エミリオ・シリ監督、ブノワ・マジメル主演。

1954年、独立を求めるアルジェリア民族解放戦線FLN)は武装闘争に突入し、フランスは50万の正規兵を送り込む。
1959年7月、カビリア地方でゲリラの指導者スリマンを捜していた小隊の中尉が戦死し、テリアン中尉(ブノワ・マジメル)が赴任する。 タイダという村で、ベテラン兵士ドニャック(アルベール・デュポンテル)やFLNから寝返ったアルジェリア人兵士ラシード(アブデルハフィド・メタルシ) が情報を得るため、村人を脅すのをテリアンは制止する。
その村は、FLNからも脅されていて、ドニャックたちは、FLN側に情報を流しているのではないかと疑っているのだった。
その後、FLN襲来の情報を得た小隊は再びタイダに向かうが、村人の姿はなかった。 裏切って村ごと逃亡したのか、FLNが潜入し待ち伏せしているのか?
いやそうではなく、村人はすでに皆殺しにされていた。 テリアンは、隠れていた少年アマールを基地へ連れて帰る。
ベルトー大尉(マルク・マルベ)が捕虜に情報を吐かせているのを知ったテリアンは異を唱えるが、ベルトーは自分 がゲシュタポから受けた拷問を語る。 捕虜の自白を元に、小隊はレキ村に近づく。 それをベルトーとヴェスル少佐(オーレリアン・レコン)が遠くから見守っていた。 突然、小隊がゲリラに襲われる。 ヴェスルは本隊からの空爆を要請、禁止されているナパーム弾が落とされる。
ゲリラの死体から、アマールと一緒の写真が出てくる。 アマールに誘われて秘密の洞窟を見学している間にラシードが消える。 彼はFLNのやり方で処刑されていた。森を進む小隊は銃撃を受ける。 激しい銃撃戦の中、テリアンの様子が変わっていく。 負傷者を基地に運ぶベルトーは、ゲリラに惨殺される。
小隊は近くの村で2人の男を捕虜に取り、残りは女子供まで皆殺しにする。 その夜、テリアンは夢中で捕虜を拷問する。 アマールは基地を逃げ出す。
翌日、スリマンはすでに死亡していたことが発覚、テリアンは捕虜を処刑する。 テリアンは休暇を得て家族の元に帰るが、家の前で車を降りることができない。 テリアンが基地に戻ると、ドニャックが自殺しようとしていた。
12月24日、ドニャックが姿を消す。 翌日、テリアンがドニャックを探していると、ゲリラが姿を現す。 テリアンは、その先頭に見覚えのある顔を見つけるのだった…

この作品を見るとアルジェリア戦争の壮絶さを学ぶ事が出来ますね。 第2次世界大戦が終わり、敗戦国の植民地だったところは普通は独立していきますが、戦勝国がそのまま統治をした国もありますね。
フランスは連合国側だったので、そのまま植民地を継続したかったでしょうが、もう世界は独立の火の手が上がっていました。 フランスもアジアではインドシナを手放し、フランス領インドも返還しています。 
しかしこのアルジェリアは、他のアフリカのフランス領を結ぶための重要な地域だったんですね。 いままでどおりの国力を維持したいフランスは、民族独立の時代に逆らって、征圧的な戦争に突入していくんですね。
しかし、さすがのフランス本国も、ただの国の権威維持か、膨大な戦争経費回避かに国論が別れて行きます。 そこに就任した大統領ド・ゴールは、アルジェリア独立承認の考えを示し始めるんですね。
ド・ゴールは、時代の流れに逆らうのをやめ、次々にアフリカの植民地の独立を認めて行き、アルジェリアは最後国民投票がなされ、75%の独立支持でこの戦争は終結していきます。
しかしこの作品は、最前線で戦う兵士たちの物語、勝手に止めろと言ってくれるなという、悲痛な軍人の叫び声も交じっているんですね。 もちろんFLNの気持ちも十分に理解されるんですが。
ただ、恐ろしいのは、世界的にアルジェリア独立紛争のことを、フランスは公式に認めていなかったというんですね。 いまなら信じられないことですが、人知れず、血みどろの戦いをしていたという事実こそが恐ろしいというお話ですね。

イメージ 1
紛争地域の村は、板挟みとなる

イメージ 2
捕虜を囲いながら

イメージ 3
テリアンが赴任してくる

イメージ 4
しかし襲われるか

イメージ 5
そしてゲリラとの戦闘に

イメージ 6