2007年作品、フローラン=エミリオ・シリ監督、ブノワ・マジメル主演。
1959年7月、カビリア地方でゲリラの指導者スリマンを捜していた小隊の中尉が戦死し、テリアン中尉(ブノワ・マジメル)が赴任する。 タイダという村で、ベテラン兵士ドニャック(アルベール・デュポンテル)やFLNから寝返ったアルジェリア人兵士ラシード(アブデルハフィド・メタルシ) が情報を得るため、村人を脅すのをテリアンは制止する。
その村は、FLNからも脅されていて、ドニャックたちは、FLN側に情報を流しているのではないかと疑っているのだった。
いやそうではなく、村人はすでに皆殺しにされていた。 テリアンは、隠れていた少年アマールを基地へ連れて帰る。
ベルトー大尉(マルク・マルベ)が捕虜に情報を吐かせているのを知ったテリアンは異を唱えるが、ベルトーは自分 がゲシュタポから受けた拷問を語る。 捕虜の自白を元に、小隊はレキ村に近づく。 それをベルトーとヴェスル少佐(オーレリアン・レコン)が遠くから見守っていた。 突然、小隊がゲリラに襲われる。 ヴェスルは本隊からの空爆を要請、禁止されているナパーム弾が落とされる。
ゲリラの死体から、アマールと一緒の写真が出てくる。 アマールに誘われて秘密の洞窟を見学している間にラシードが消える。 彼はFLNのやり方で処刑されていた。森を進む小隊は銃撃を受ける。 激しい銃撃戦の中、テリアンの様子が変わっていく。 負傷者を基地に運ぶベルトーは、ゲリラに惨殺される。
小隊は近くの村で2人の男を捕虜に取り、残りは女子供まで皆殺しにする。 その夜、テリアンは夢中で捕虜を拷問する。 アマールは基地を逃げ出す。
翌日、スリマンはすでに死亡していたことが発覚、テリアンは捕虜を処刑する。 テリアンは休暇を得て家族の元に帰るが、家の前で車を降りることができない。 テリアンが基地に戻ると、ドニャックが自殺しようとしていた。
12月24日、ドニャックが姿を消す。 翌日、テリアンがドニャックを探していると、ゲリラが姿を現す。 テリアンは、その先頭に見覚えのある顔を見つけるのだった…
フランスは連合国側だったので、そのまま植民地を継続したかったでしょうが、もう世界は独立の火の手が上がっていました。 フランスもアジアではインドシナを手放し、フランス領インドも返還しています。
しかしこのアルジェリアは、他のアフリカのフランス領を結ぶための重要な地域だったんですね。 いままでどおりの国力を維持したいフランスは、民族独立の時代に逆らって、征圧的な戦争に突入していくんですね。
しかしこの作品は、最前線で戦う兵士たちの物語、勝手に止めろと言ってくれるなという、悲痛な軍人の叫び声も交じっているんですね。 もちろんFLNの気持ちも十分に理解されるんですが。
ただ、恐ろしいのは、世界的にアルジェリア独立紛争のことを、フランスは公式に認めていなかったというんですね。 いまなら信じられないことですが、人知れず、血みどろの戦いをしていたという事実こそが恐ろしいというお話ですね。
紛争地域の村は、板挟みとなる
捕虜を囲いながら
テリアンが赴任してくる
しかし襲われるか
そしてゲリラとの戦闘に