2012年作品、キム・グエン監督、ラシェル・ムワンザ主演。
平和な水辺の村で暮らしていたコモナ(ラシェル・ムワンザ)、両親と3人暮らしだった。 しかしいきなり多数のボートが水辺に現れた。 彼らは反政府ゲリラだった。 あっという間に村は制圧され、逃げ惑う者は殺され、そして捕えられた。
リーダーのような男がコモナに両親を見ながら命令する。 「お前が撃て。 もし撃たないならおれが切り殺す。」 コモナは銃の引き金を引いた。
ゲリラたちは子供たちだけ10人程度を連れて立ち去っていった。 村に生き残った者はいなかった。 コモナはその10数人の中にいた。 子供たちは、問答無用で反政府軍に入れられ、各自役割を与えられる。 そして銃の使い方も教えられる。 しかし女だからと言って配慮はされない。 食料も最低限しかない。
コモナは木の樹液を与えられた。 その時である。 コモナが用心深く歩いていると、突然亡霊が現れた。 と、その直後に敵の政府軍が隠れていた。 激しい銃撃戦が展開された。
そしてコモナは、敵のいるところに亡霊が見えることがわかった。 そして彼女は 「魔女」 と呼ばれた。 それから彼女の待遇が変わった。 魔女がいる限りゲリラは必ず政府軍に勝つ、そう信じられたのだった…
コモナは12歳で拉致され、波乱の人生を歩んでいきます。 日本人では信じられない生活ですが、ある意味逞しいと言うか、生きる執念を感じますね。 始めからコモナに対し、優しく接してくれたマジシャンという少年が、コモナを必死に守ってくれ、そしてある日コモナ共に脱出するのですが、これも決死の覚悟を必要とするんですね。
コンゴの紛争はいまだに収まっていませんが、子供たちが実際に銃を取り、戦う姿は胸が痛いですね。 民族間の対立、私は詳しい方ではありませんが、アフリカの紛争原因は、旧宗主国との因縁、独立の仕方、国境線の弾き方が根深いのではないかと思っています。
アジアの独立とはちょっと毛色が違うんでしょうね。 監督のキム・グエンの執念の作品と言え、普段では触れることのできない世界が目に焼き付いた作品でした。(G)
彼女の前に現れる亡霊、そこに敵がいることを知らせる彼ら
マジシャンと仲良くなるコモナ
武器を携えながら
二人は夫婦のように
そして逃亡する
|