anttiorbの映画、映像の世界

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ファブリックの女王

2015年作品、ヨールン・ドンネル監督、ミンナ・ハープキュラ主演。

アルミ(ミナ・ハープキラ)は戦争で兄弟を亡くし、工房も失ってしまう。 夫ヴィリヨ(ハンヌ=ペッカ・ビョークマン)は業務用オイルプリントを作る会社を買収、アルミはそこで働くうちに、個人向けに綿の布地にプリントすることを思いつく。
そして1951年、新会社マリメッコを設立。 軌道に乗せるため、全財産を賭けて、布地の使い方をアピールするドレスのファッションショーを開催する。 こうしてヘルシンキで初めて行われたファッションショーは大成功を収め、独特な色遣いとデザインが施された布地や女性をレースやコルセットから解放したドレスは一躍脚光を浴びる。
才気あふれるデザイナーに自由にデザインをさせ、手がけた布地には名前とデザイナーの名前を冠した。 アルミはマリメッコに人生を賭け、従業員たちと何でも言い合い、家族のように思ってきた。 そのために面倒を引き受け出費を惜しまないアルミに、銀行は難色を示し、経営危機に陥ることも何度もあった。
それでもアルミは常識をはずれるほどマリメッコに傾倒。 ついには夫や子どもたちに見放されてしまい、理解を得られない淋しさを酒や他の男性で紛らわせようとする。 やがてマリメッコは知的な人々のユニフォームとして世界に広まるまでに成長。 そしてアルミは、職住が一体となった自然あふれる理想郷マリメッコ村(マリキュラ)を作ろうとする・・・

いつも前段に、途中までの物語を書くんですが、実はこの作品、そういう作品ではないんですよね。 ラストカット以外ほとんどスタジオ撮影。 さらに、演じているミナ・ハープキラと、監督との掛け合いのシーンがカットされて入ってきます。
冒頭ミナが、アルミ・ラティアの人生のほとんどの部分を語りきってしまい、アルミの人生が映画を通して観れるのかと期待した観客は初めから置いてけぼりを食らうんですね。 これは、正直私はあっけにとられてしまいました。 予告編を見る限りは、アルミが世界的なブランド 「マリメッコ」 を立ち上げその苦闘を描いたドラマだと思っていましたから。
半ドキュメンタリー、POVとはまた違った伝記映画なんですが、演じているみなの苦悩もミックスされたような作品に仕上がっています。
もちろんマリメッコの創業から、マリメッコ村建設、そして反対派の銀行の頭取たちとのやり取りなど、描かれてはいますが、すべてはファッショナブルに、また前衛的に描かれ、舞台劇のメイキングを見ているような錯覚に陥るんですよね。
見終った後、大半の観客は狐につままれたような顔で、劇場を後にした (私はそう感じましたが) んですが。
でもね、私のいくつか横に座っていた女性が、終盤号泣して、最後たった一人拍手を惜しみなく送っていたんです。 私はそれが驚きで、批判的ではなく、この作品で称賛できる部分がわからない自分に、まだまだだなあと思いました。
息子に話すと、「それはお父さんが、ファッション界を知らないからだ」 とビシッと言われてしまいました(^^)
勉強が足りなかったのか? マリメッコをもっと調べて行くべき作品でした。

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アルミは決心する

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仲間とともに

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マリメッコを立ち上げる

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そしてショーを開く

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そして彼女はどんどん傾倒していく

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