anttiorbの映画、映像の世界

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殿、利息でござる!

2016年作品、中村義洋監督、阿部サダヲ瑛太妻夫木聡竹内結子出演。

江戸中期。 仙台藩は財政が厳しく、重税にあえぐ百姓や町人たちの破産と夜逃げが後を絶たなかった。 小さな宿場町・吉岡藩もすっかり寂れてしまい、造り酒屋の主・穀田屋十三郎(阿部サダヲ)は町の行く末を案じていた。
その財政を逼迫させていたのが、“伝馬役” と言われたお役目だった。そ れはお上の物資を隣りの宿場町から受け取り、次の宿場町に届けるお役目、もちろんお上の役人の厳しい監視のもとに人足を雇い、その費用が何と吉岡宿に課せられていたのだった。
そしてこの宿場町にはなぜか旅人が通らず迂回されてしまい、お金を落としてもらえない状態が作られていたのだった。
ちょうどそこに帰ってきたのが、知恵者の菅原屋篤平治(瑛太)だった。 若い嫁・なつ(山本舞香)をもらっての帰国だったが、あっという間に肝煎の遠藤幾右衛門(寺脇康文)に馬をもって行かれてしまう。 伝馬役に使われてしまったからだった。
彼は、関白のお墨付きをもらい新茶の承認をもらって、これを地元で栽培しようと意気揚揚だった。 しかしそのための借金返済のため、さっそく溜めてきたお金の半額を、造り酒屋と質屋を営んでいる浅野屋甚内(妻夫木聡)に返しに行く。 利子しか返せないのだが、甚内に、返してくれる確かなものがあるから大金を貸しているんだと言われてしまう。
その日、町の男が集まる飲み屋に久しぶりに顔を出し、そこにいた女将に帰ってきたことを言いながら一杯飲む篤平治。 その隣で暗く飲んでいたのが十三郎だった。彼は、実は甚内の兄だった。 しかし長男の彼が養子に出され、継いだのが次男の甚内だった。 父・先代の甚内(山崎努)に疎まれて養子に出されたと思っている十三郎は、もう実家にほとんど顔も出していない。 妻に先立たれ、長男・音右衛門(重岡大毅)と、妹・加代(岩田華怜)との3人暮らしだった。
宿場町の財政の話になった3人だったが、そこでふと昼間の浅野屋の話を思い出した篤平治。 そこで半ば思いつきで言ったことが、大金を藩に貸し付け、藩から利息を得るというものだった。 目標額は、千両。
篤平治は、実現不可能なことだと思っていたが、後日十三郎は一人の男を連れてくる。 穀田屋十兵衛(きたろう)といって、彼の叔父だった。 出資者の一人を見つけたと意気込んでいた十三郎。 さて、半ば冗談で言った話に十三郎が乗ってきて、戸惑う篤平治だったが…

これも長い事予告編が流されていた作品、史実だという事なんで、これは 興味深く見たい内容でした。
監督は中村義洋、脚本は鈴木謙一と共同で書きあげています。中村作品は、ここ3作 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/11339416.html  http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/13152031.html http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/13872376.html 、ミステリー、サスペンスと続いていたので、今作はガラッと変わった史実物の時代劇になっています。
豪華キャストなんですが、これは各俳優陣のキャスティングがピタリ嵌っていますね。 いちいちかけないほどのいい配役です。 まあちょっとした遊び心で羽生君が出ていますし、AKB48を卒業したばかりの岩田華怜も(^^)
物語はこの後、まず1000両を出せる出資者を集めて行きます。 そして篤平治が諦めていた人物が次々と出資をする決心をして、流れが変わってくるんですがね。
この作品は、いかに政(まつりごと)をやる人間がどう振る舞うかで、民衆が生きるか死ぬかが決まるという事が嫌でも伝わってきます。 しかし、そこに訴えることの純粋さと、人は見かけによらないなと、つくづく思いますね。
郷土愛という言葉で終わらせたくないような、自分の住んでいる場所の民を思う心が何とも、清々しい。 反面、今も昔も、役人や政治家は、変わらない中、心ある人に当たることがいかに大事か、そういう面も含んだ味わいのある作品でした。
今のところ上半期、内容№1ですね。
でもそう簡単にお金は集まりません(^^)

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お上に金を貸す?

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篤平治と十三郎のもと

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出資者が、その中に陣内も

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そして、大肝煎も参加

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はたして成功するのだろうか?

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