anttiorbの映画、映像の世界

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冬の幽霊たち ウインターゴースト

2004年作品、稲葉耕作監督、WAHAHA本舗藤村俊二出演。

夕張の町は、映画館が一館しかない。 しかし町にはいろんな名作の看板が掲げられている。 そんな夕張の町に、ある日、季節外れの幽霊たちが出現した。
外は真冬で雪の積もっている季節、それは一体二体ではなく、いろんなところに一斉に現れたのだった。
バス停、ホテルのエレベーターの中、床屋の入り口、また、絶えず釣竿を持って釣りをしていたり、裸で平泳ぎの恰好をしていたり、町を走り回っていたり、様々な行動をしている幽霊もいた。 中には憑りつかれてしまった男(不破万作)までいた
これには警察も、市役所の職員もただただびっくりするだけ。 警察官の二人(梅垣義明、元気安)は、何が起こるかわからないと言い、町民にはむやみに近づかないことを必死に注意をする。 しかしいきなり現れた幽霊たちに、おっかなびっくりで見に来る町民がほとんどだった。
そしてだんだん幽霊の身元がわかり始 める。 市役所の、助役(山本晋也)のもとに報告が入り、まずは幽霊の細かな傾向が語られる。 一か所にとどまっているのが地縛霊、ふらふら移動できるのが浮遊霊、そしてどうやら幽霊たちはこの夕張町民ではないということがわかったのだった。
旅役者はこの地でフグに当たって死んだ霊、学校に出てきた幽霊は、転勤初日に交通事故で亡くなった先生の霊、釣り人は釣りをしに来て誤って溺れて死んだ霊、みな何らかの理由でここにきて命を落とした幽霊たちだったのだ。
しかし、一切町民に危害を加えることのない幽霊たち、町民たちは次第に親近感を覚え、幽霊たちも町に溶け込んでいくのだったが…

これは変わったファンタジーでしたね。 ある種コメディかもしれません。 という のも、製作総指揮がWAHAHA本舗の主宰者の喰始氏ですから。 メンバーは総出演、有名なところでは久本雅美柴田理恵梅垣義明佐藤正宏、ゲストとして、藤村俊二山本晋也、白川和子は今はWAHAHA本舗所属なんですね。
監督は稲葉耕作、初鑑賞監督です。 脚本も書いていますね。
物語はいきなり現れたたくさんの幽霊たちに、この町の人たちがだんだんとこちらからアプローチしていく作品ですね。 どうして幽霊になって現れたのか? それはこの世に対しての強い未練があるからなのか? いや必ずしもそうではなく、いつもいるんだけれども、たまたま一斉に見えてしまうという事らしいですね。
面白いもんで、憑りつかれた男が、パチンコで大儲けをしてすすき野に行こうとして夕張市を出ようとすると、幽霊は消えてしまうんですね。 見えなくなってしまうという表現が正しいのかもしれませんが。
しかしこの後、この幽霊群は、世界のいろんなところで現れていることに気が付きます、そしてその最後も。
夕張は大きな試練を受け、財政破綻をした街ですね。 しかしある市長の時にこの映画の町として再生を始め、今はすっかり有名になったのが “ゆうばり国際冒険ファンタスティック映画祭(ゆうばりファンタ)” その今は亡き中田鉄治氏に対するオマージュ作品になっているんですね。
だからこの作品中に、映画の町:夕張と、作品に、映画に対する深い愛情が描かれているんですね。
滑稽なファンタジーですが、夕張に行って、映画の看板を巡る旅に出たくなる作品でした。

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いたるところに映画の看板が

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ここ夕張にある日突然一斉に幽霊が

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ここにも


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そして幽霊たちの曰くもわかってきて

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