anttiorbの映画、映像の世界

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星守る犬

2011年作品、瀧本智行監督、西田敏行玉山鉄二川島海荷出演。

夏、とある山中に放置されたワゴン車から、身元不明の中年男性と犬の遺体が発見された。 だが、男性の遺体は死後半年を経過していたが、犬の遺体は死後1ヶ月しか経っていないことが判明。 犬はなぜ、男のそばに寄り添って死んだのか?
市役所の福祉課に勤める奥津京介(玉山鉄二)は、さっそく警察と一緒に現場に向かった。 そこはキャンプ場からさらに奥に入ったところ、これ以上は前に進めないような場所だった。 車のナンバープレートは外され、あらゆる身元の分かるものは処分されていた。 しかしそこに何枚かのレシートがあったのだ。
そして周りを見ると、そこには一本の枝が刺さってい た。 それは一緒に死んでいた犬のお墓だという。 奥津京介は、幼いころの思いにふけっていた。
彼は両親を早く事故で失くし、祖父(藤竜也)と祖母に引き取られた。 しかし祖母は病弱で、ある日祖父がいきなり祖母が寝ている部屋の壁を壊し始めた。 びっくりして止めようとすると、祖父は、ここにベランダを作ると笑いながら言うのだった。
それは動けない祖母に外を見せてやりたいという祖父の気遣いだったのだ。そして嬉しそうに外を眺めながら彼女は逝った。 京介も黒い犬を飼っていたのだった。
京介は、そのレシートをたどって、いきなり死んだ男の消息を探し始める。西谷課長(塩見三省)は、そんな出張費は出ないのにとぼやくが、彼は自費で調べると言い出すのだった。 しかしそれはなかなか大変なことだった。
まずはじめに行ったのは東京の出版社だった。 しかしこれはと思った人物の名前は、そこの創業者で、もう30年前に亡くなっていた。 
京介は、そこである女の子(川島海荷)と出会うのだった。 荷物を抱え、「追われているから車に乗せてほしい」といかにも口から出まかせの話をする女の子。 しばらくして降ろそうとすると、なんだかんだ言って着いて来てしまう。
そして次に向かったのは、その男が泊まったであろう旅館だった。 そこの女将(余貴美子)から多少話が聞けた。 どうやら彼(西田敏行)は犬を連れて、どんどん北上して行っているのだという事だった。
また少女は、京介に家まで送ってほしいと言い出す。 北海道の旭川、彼女は家で同然で東京に出てきて、オーディションを受けたのだったが、あっさり不合格、お金も尽きて途方に暮れていたのだった。 そして二人のその男性の身元捜しの旅が始まる…

滝本監督作品は、近年アクション、サスペンスのような殺伐とした作品「脳男」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/8680567.html 「グラスホッパー」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/13634584.html と続いていますが、今作は動物ものの感動作品、前から見たいと思っていた作品です。
いきなりの白骨死体、もちろんそういうシーンはありませんが、山の中に止まっている朽ちた自動車、まあホラー的な展開になってもおかしくないですね。 山でなくても、私が住んでいる近くの川沿いには、車の中で生活しているホームレスのいる場所があり、昔廃線探訪を息子と行ったとき、その終着点に数台の車が止まっており、そこに人の気配がありましたから。 時間がたち、病気にでもなったら死体となってもおかしくないと思いましたからね。
今作は、“おとうさん”の消息を市役所職員と、家出娘のパートと、犬を連れて旅をする中年男のパートとわかれているんですね。 そのシーンが交互に入り、そしていよいよ人生の最後のところは一気に悲壮感が漂う作りになっています。
身寄りがないわけではなく、離婚した妻も、おそらく娘もいた“おとうさん”。 でも彼は一目遠くから見つめて、そして決別して飼い犬の“ハッピー”と最後の旅に出るんですね。
感動というよりも、私にはもどかしさが残った作品でした。 ただ、もう動けなくなった飼い主に対して、最後まで食べ物を運んでくるハッピー、死んでからもそれを続けるハッピーが何とも切ないですね。
ハッピーはどうして飼い主が死んでも食べ物を運んできたのか? そしてそこに帰って来ていたのか? それを考えさせられますね。 犬の気持ちの中 に、「この人と一生添い遂げよう」というものがあったとしか思えませんね。 パートナーが死んだことはすぐにわかるはずですから。
ハッピーは覚悟をしていたという事でしょうかね。 とにかく、不憫だなあという思いになってしまった作品でした。

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京介は犬を飼っていた、そして探索に

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そして彼女と出会う

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“おとうさん”の旅

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ハッピーとの生活

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彼が幸せだったころ

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