雨の中、必死に飛ばしている車があった。 そこに乗っているのは一人の医者と、チンピラ風の男たち。 連れてこられた先には、弱った老人がいた。
四人しか子分のいない小さなヤクザ、目高組の親分・星流志・目高組三代目組長(藤原釜足)がもう最後の時を迎えていたのだった。 医師の尾田医師 (円広志)は実は獣医で、子分たちはよく看板を見ないで無理やり連れてこられたのだった。 三代目は跡目は血縁者にと遺言を残して死んだ。
泉の母はずっと昔に亡くなって、これで彼女は本当の一人ぼっちだ。 高校の同級生たちは泉を必死に励まそうとしていたが気丈に振る舞う泉。でも一人になると、とうとう一人になってしまった悲しみがこみ上げてくるのだった。
泉がマンションに帰ると、マユミ(風祭ゆき)という女がおり、彼女は「もし自分が死んだら泉をよろしく」という父の手紙を持っていた。 フーテンの様な格好のマユミはとても父の愛人には見えない。 その日からマユミと一緒に暮す泉だった。
しかし次の日、高校に見知らぬヤクザの軍団が現れる。 黒いスーツを着こんだ大勢の男たちが学校の前に並んでいるのだった。 泉のとりまき、智生(柳沢慎吾)、哲夫(岡竜也)、周平(光石研)が止めるのを無視して、泉は校門に向った。
すると、あの火葬場にいた男が歩み出て「星泉さんですね」と言う。佐久間というその男に汚ない事務所に連れていかれた泉は、そこで、目高組四代目組長を襲名してほしいと頼まれた。
「そんな事を受けれるわけがない。」そう泉が言うと、佐久間は「じゃあ今日限り目高組は解散だ。他の組を襲撃して華々しく死のう」と言うのだった。
実は本当なら父親が跡目の候補者だったが、死んだため彼女が直径となり、後継ぎ候補になったという事情を聞かされた泉は、死ぬと言っている4人の組員をほおっておくことができす、組長を引き受ける。
女子高校生組長の誕生だった…
「野生の証明」http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/7606384.html で衝撃のデビューを飾りましたが、これで一本立ちをした感じの作品ですね。もちろん、演技的にはまだまだなんですが、これは彼女の魅力をふんだんに出せた作品であり、ラストのマリリン・モンローを彷彿させるシーンなんか、角川が彼女にかける意気込みさえ感じます。
物語は、ひょんなことからやくざの世界に足を踏み入れた女子高校生星泉、でも血筋なのかなかなか任侠心を持った子分思いの大胆な行動をしていく、ある意味自覚を持った親分像をはじめから発揮します。
でも、彼女の心の内は、嬉しかったのかもしれません。この世界は家族なんですよね。親分子分は親子という事になり、孤児になってしまった泉にできた家族、だからこそ彼女は必至にたった4人の組織を体を張って守ろう、その思いが感じられるんです。
しかしこの世界はそんな義侠心だけでは成り立ってはいません。 この後、様々な百戦錬磨の御同業が現れていくんですね。
今見るといろんな役で、有名な役者さんが出ています。 上記以外にも、柄本明、三國連太郎、佐藤充、斉藤洋介、寺田農、お亡くなりなっている方もいますが、今が第一線の俳優も多く、やはり当時の角川作品は豪華ですよね。
さて、2016年版はどういう仕上がりになっているんでしょうか?
父が亡くなった
励ましてくれる男子生徒
遺骨を持ち帰る泉
そして目高組から組長の話が
そして抗争に